俺は約束通り響君をいじめている者達の所へ連れて行って貰った。
そこは俺達があったあの公園、そこでそいつらはイライラしながら待っていた。
そう言った奴は途端に怯え始める。
あぁ、なんと脆い、俺が大人だから、か?
おれはそう言った。
響君にはあまり見せたくないし…。
でも響君は帰ろうとしなかった。
俺はそれだけ言って響君をいじめている子達の方へ向き直る、とびくっと怯える。
俺は怒りを表に見せないように極力穏やかな声で言う。
だんまりか、本人がいるのを気にしてるって訳じゃあないだろ。
何故だろう、さっきからイライラする。
こいつらに腹が立って仕方がない。
俺はそれを抑えきれなくなりそうだった、から。
響君の手を引っ張って帰る。
響君がいない時でいい、その時に、あいつらを…………
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。