私の名前は、佐藤りん。
幼なじみの永沢れん。
私達はずっと一緒だった。
キーンコーンかーンコーン。
小学一年の春。私達は出会った。
実は私の親、虐待をよくする両親だった。
「あんたなんかねー。うまれてこなきゃよかったのよ!」
お酒のにおいがプンプンする。
「お母さん・・・」
パッシ!
「あんたさえいなければ・・・」
生まれてくる意味。それは私の奴隷になること。
そう母親に言われてきた。
「転校してきた、永沢れんです」
「佐藤さん」
「はい」
学校を案内することになった。
「ここが図書室」
「なあ。おまえ殺したい奴はいるか?」
「え?なんで?」
「俺は、両親を殺したい。」
「え・・・」
「俺の父ちゃん浮気してんだよ。腹が立つ」
「・・・」
「おまえは?いるか?」
「殺したい人間」そう聞かれると、両親と答えたくなる。
「殺したあとは?どうするの?」
「バラバラにして海に捨てる」
「へえー」
「手伝ってくれねえ?」
「え?私?」
「ああ。二人でチーム組まねえか?」
「え・・・」
「俺が守っていく。どんな事があっても」
私達はチームを作った。
私は母親を殺す殺意が目覚めた・・・。
その日は8月10日だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。