第22話

22話・私の過去
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2017/11/29 22:30
片付けをしてみんなで輪になって座った。
河脇 凛
それじゃー話しますね。私の両親はバレーボール選手だったって言ったの覚えてますか?
大林 大地
おう。
河脇 凛
父は河脇  日向、母は河脇浅香です。
橋本 光輝
その2人ってめっちゃ強い人たちじゃん!
花宮 潤
でも確か・・・
河脇 凛
そう。私が小学生一年生の時に父と母は交通事故で死にました。両親が死ぬまでは兄もいてすごく楽しかったんです。東京にいる幼馴染も一緒にバレーを毎日のようにやってました。
櫻井 たける
・・・
河脇 凛
でも両親が死んで私たちはこっちのおばあちゃんに引き取られてここに来ました。まだ良かったんです。兄もいて、おばあちゃんもいたから。けど両親が死んでから五年後おばあちゃんも亡くなって・・・
柿原 湊
え・・・
河脇 凛
私たちはおばあちゃんの家に2人で暮らすことになったんです。それからちょっと経って私は中学2年生。兄は大学一年生になりました。お互いバレーは続けてて、私は全中二連覇。兄は高校で全国大会に行ったけど、優勝はできなくて。
山口 圭介
すご。
河脇 凛
兄はバレー部を引退してから毎日のように「優勝したかった。一回でいいから優勝するところを親に見せたかった。」って言うんです。私はその時兄と約束したんです。「私が立花高校を優勝させる。だから見にきて。」って。
河脇 凛
そしたら「女子バレーはどうするんだ」って言われちゃって。その時は「けんぶする。」って言ったんです。でも・・・私が中学二年生の冬に兄は小さい子を車から守って死にました。私の目の前で。今でもその光景と兄が最後に残した言葉が忘れられなくて。もう、みなさん気づいてると思いますけど亡くなった兄の名前は河脇  蓮です。
東海林 幹人
・・・
河脇 凛
私は何もかもがどうでも良くなって。これからどーしたらいいのか全くわからなくて。その時に助けてくれたのが幼馴染の4人なんです。私はその時に兄との約束を絶対に叶えようって思ったんです。そして今ここに私がいます。
河脇 凛
もちろん今までに何回も大ちゃんたちにバレーに誘われました。でもやろうとするたんびに思い出すのは家族のことで。怖くて出来ないんです。たけるたちとバレーをやった時も本当は手も足も震えて頭の中には家族のことでいっぱいで。今すぐにでもやめたいと思った。・・・もう私にはバレーをやることはできないと思います。よっぽどのことがない限り。

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