第2話

無意識
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2017/10/21 15:23
スカー
ダーリn...なぁんだ、吸盤祭りか
エイトフット
俺で悪かったなァ
てか吸盤祭りって何なんだよ
やめてくれ
夕食の時間が近づいてきた。
もうすぐハロウィーンだからなのか、最近は全員集まって飯を食べる事が多い。
少しめんどくさいが、別に嫌な気はしない。部屋にこもってひたすら書類を片付けるよりは何倍もマシだ。
スカー
ダーリンと吸盤の足音って似てるんだよねぇ。
聞き分けられないなんてスカーちゃんもまだまだだなぁ。
エイトフット
足音で誰か分かんのかよ。
大したもんだなぁ。
スカーはいつも一番最初にパーティ会場とやらに来る。次に来るのは大体俺だ。朝はなかなか起きられねえが、夕方は何故か早い。自分でも分からねえが。そのため、ここに持ち込んだ書類を進めながら、スカーと会話する事はよくある。
スカー
でもね、いつもは分かるんだよ?今日はたこさんの歩くスピードが早かったでしょ。だから見分けつかなかっただけ。
そうだ!そんなにペン動かしてばっかじゃたこさんの頭おかしくなりそうだから、ゲームしよう!
エイトフット
あ?ゲームだぁ?
まあ、少しだけな。俺は忙しいんだ。
めんどくさいから断ろうとも思ったけれど、どうせやらされる羽目になるのは目に見えていた。
スカー
えっとねえ、今からここに来る人の足音だけで誰が来たか当てるの!
無理だ。時間の無駄だと言おうとしたが、スカーはノリノリで今からやめられる雰囲気では無かった。
カツ...カツ...

それから間もなく、足音が聞こえてきた。
ヒールがあたる音からすると、恐らく女だろう。
おお、分かった!とスカーが言う。だめだ。全然わかんねえ。
スカー
いくよ、せーのっ!
エイトフット
ヴェール
スカー
ハーデスちゃん!
ハーデス
何をやっているの。
別になんでもいいけど。
スカー
はいスカーちゃんの勝ち!
このジャングル育ちはなんで分かるんだ。
怖い。
何度も言うが、全く分からねえ。当てずっぽうでも当たる気がしない。
エイトフット
足音で誰か当てるゲームだよ。
こいつすげえんだ。
ハーデス
あらそう。
どうぞご勝手に。私は知らないわ。ご勝手に。
コツッコツッコツコツッ
ハーデス
あら、また誰かきたみたいよ。
私は見ているわ。
こいつは...
俺にも分かる。独特なリズムを刻んでる。
しかも歌ってる。

♪薔薇の花をぉ赤く塗ろっおよぉぉぉぉ!
首をおはねぇ!

マスターをバカにしたようなモノマネ。
ほんとに首をはねられるぞ。

ダダダダダダッ


まて、もう1人いる。トランプと一緒にいてこんなにうるさい足音の奴といえば。
スカー
いやぁぁぁっ!きゃー!
案の定スカーは騒いでいる。
俺はこんな奴の歩き方に似てるのか?
エイトフット
ジャックとダルメシアだな。
ジャックハート
こっのおっれはまっかふっしぎ!怖さがちっがうぅ!アォッ!
スカー
ダーリーンッ!ちゅっ!
ダルメシア
やーだー!
ジャック助けて!
うるさい。やな奴が集まってきた。

かつ、かつ、かつ──

誰かきた。
さっきは当たったけれど、あいつらがうるさいから分かったようなもんだ。自分の力じゃない。やはり俺にはわかんねえ
エイトフット
ほらスカーまた誰かきた来たぞ、ゲームはどうなったんだよ。
お前そういう所あるぞ。
スカー
えっとねえ、これはMP!
ジャックハート
ゲーム?なにそれ僕もやりたい!
食い気味なジャックに大体のことを話すと、「やっぱ聞いてるだけでいいや」と放棄した。
エイトフット
おい、もう俺わかんねえから次最後でいいだろ、お前集中力切れてきてんだろ。
スカー
うん、もう次で終わろ。たこさん全然当てられないんだもん。張り合いなくてつまんない。
あー、はいはい。と適当に流した。
ん、また誰かきたみたいだ。

カツカツ、と少し落ち着きのない音。

これは...
エイトフット
スキャター。
無意識だった。
それまで騒いでいたダルメシア、ジャック、MP、それと俺に初めて先を越されたスカー、興味無さそうに外を眺めていたハーデスが一斉に驚いた顔でこっちを見た。
スキャター
なんですか、エイトフットさんっ。
後ろ見ないでよく私だって分かりましたね!
なんで分かったのか、こっちが聞きてえよ。
だんだん恥ずかしさがこみ上げてきた。
スキャター以外のやつがニヤニヤしながら話しかけてくる。
ハーデス
そんなにこの子が好きなのね。
笑っちゃうわ。エイトフットが、ねえ。
まあ、私は知らないけれど。
死にたい...
こんな自分が嫌になってくる。
スキャターは何が何だか分かっていないけれどニコニコしてる。
エイトフット
俺の負けだよ。完敗だ...
手で顔を抑えながらそう言った。
スキャターが鈍くて良かったと思った日は今までもこれからも無さそうだ。


❦ℯꫛᎴ❧




なんだか話がごちゃごちゃしててごめんなさい🙏

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