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北斗 said
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「はい、これ次の企画書ね」
『……前より量、多いですね』
「…整理してPCに打ち込んでおいて。できれば明日の16時くらいまで」
『無視しましたよね?』
「え?してないよ、してない(笑)」
『…わかりました、頑張ります。』
「早めに終わったらふたりでどっかいいとこ飯食いに行こ」
『え!ほんとに?!』
「ばか、うるさい。まぁ頑張れよ」
『はーい!』
元気になったあなたの頭をぽんぽんして自席に戻る。
そう、俺の彼女は年下で同じ課の後輩。
周りには言ってないから堂々といちゃつけないけど、割と仲が良く思われてるからそこまで苦労はしない。
本当はあなたの大量の企画書も手伝ってあげたいけど立場上そこまで関われないんだよなぁ…。
まだその繋ぎの部分で関われてるだけましかな。
18:30になりそろそろ自分の仕事が片付いたからあなたの様子を見に行く。
「おーい、あなたちゃんとやってるー?」
『やってますよ!でもあと少しで今日の分終わりそうだからちょっと待ってて』
「じゃあロビーで待ってるから」
そう言ってからロビーで待つこと15分。
さすがに待てなくて電話をかける。
「……出ないか。」
3回かけても電話に出ないあなた。
「んー…どうしよっかな…」
しばらく迷ってると聞こえてきたあなたの笑い声。
どうやら同期の慎太郎とエレベーターが一緒になったらしい。
『あははっ慎ちゃんは変わらないなぁ(笑)』
慎太郎の手があなたの頭にのった。
なんか俺といる時より楽しそうじゃん。
ふーん、そういうことか。無理に言わなきゃ良かったな。
俺は見なかったことにして足早に会社を出た。
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rikoさんリクエスト 松村北斗×年下彼女
次に続きます!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。