第20話

初体験なんだけど…
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2017/12/19 01:47
私、天野直美、15歳。
高校1年生の女の子。

前回の続きから…
興味の無い方は、スルーしてね。



それから5日間…
何時もと変わらない日々を過ごした。
部活もやって、和也くん達と
ゲーセン行ったりして…

そして…土曜日。

学校のスケジュールをこなし放課後。

クラスの冴子と由起が
何時ものように…誘って来た。

ちょうど明日は日曜日って事もあって、
今回はオールナイト、
夜遅くまで遊ぼうって事になったの…
だから、先ずはいったん家に帰って、
着替えて来ることに…

学校で彼女達と別れる前に
何故かなんて、
その時はわからなかったのだけど…

ドレスかワンピースの大人っぽい服装を
着て来るように言われたの…
だから、私、自宅に服を取りに行った。

それから、大人っぽく見える様に、
薄くメイクまでして、
彼女達と待ち合わせした場所ヘ向かった。

着いてみると、彼女達はもう来ていて、
なんか、大人の女って感じで、別人みたいだった。

それから私達は、
カラオケBoxで、P.M.6時まで遊んだ。

その後、夕食を食べに、
ファミリーレストランへ行き、
そこで、始めて、
何故、大人っぽい服装を
しなきゃいけないのか知った。

それは、いわゆるクラブ(ディスコ)へ
行く為だったから…

私、クラブって、まったくはじめてで、
行くのも、見るのも、初体験…
ドキドキしちゃった。

でも、彼女達は違ってたみたい…

ピカピカ光るネオンサインが出てる
大きなファッションビルの地下に
その場所はあった。

中に入ってみると、
そこは宇宙みたいな空間が広がっていて、
入口でお金を払って、奥へ進むと…
色取り取りの、ミラーボールがキラキラ
輝いて、無数の照明に
人の話し声が聴こえない程の
大音響が鳴り響いていて…圧倒された。

私達はT字型の丸いテーブルにある
同じ型の椅子にそれぞれ座った。

彼女達は、もう何回か来ているのか
ボーイを呼んで、何かをオーダーしていた。

私は、さっけから、
胃の奥にズンズン響く
リズムやキラキラ照明の
イルミネーションで、
圧倒されまくっていて、
ステージと呼ばれる場所で、
楽しそうに踊っている人達をみながら
ボーッとなっていた…

これが、ディスコクラブ…

そんな、時…
いきなり3人の男達が、
私達に声をかけて来た。
『ねぇ、君達。
良かったら、合い席良いかな⁈』
その問いに…彼女達は、OKした。

私は何だろうって思った。

だって、他にも席は空いてるのに…
ん⁉︎
んん⁈
こ、これって…ナンパと言うヤツ…

ビックリして焦った…

その時、ちょうどボーイが
彼女達が注文したドリンクを置きに来た。

男達3人も、ボーイに何かオーダーした。
彼女達は、男達3人をそれぞれみながら、
ヒソヒソ何か話し合っている。

私の隣に座った男が…
『ねェ、君達、学生?』
その質問に冴子が、『えぇ!短大生ょ。』
と、澄ました顔で答えた。
由起の隣に座っている、もう1人の男が、
『何年生?』と聞いた。
今度は由起が答えて…『1年生ょ。』

彼女達、何言ってるの⁈

私達高校生ょ。大学生だなんて嘘…

いったい何を考えてるの⁇

また、着いていけなくなりそぅ…

女の子って…良くわかんない…
自分も女の子だけど…

普通に生きて来た人達と違うからなのか…?

なんて考えているうちに
どんどん話は進んでて
いつの間にか自己紹介も終ってて…

私の前に座っている男が…
『ねェ、直美ちゃん!僕と踊らない。』
だなんて…

私、いつ名前教えたのかな⁇

もう、彼女達って…
人の名前、勝手に教えないでょ〜⁈

助けを求めるように彼女達をみると、
それぞれの相手と楽しそうに話してる。

もう…仕方無い…
せっかく、お金も払ったんだし
踊って、ドリンク飲まなきゃ損だし…と

半ば開き直って…
男の申し出を受ける事にした。
えぇぃ!ヤケだ‼︎

とは言っても、私、踊った事なんてないから…
見様見真似だけども…

ステージに上がると流石に煩い。
と、いきなり、
『直美ちゃんは、大人しいね。』って…言われた。
本当はくちを開きたくなかったけど…
『…そうかな?』
うんうん、頷きながら…
『僕は、キャピキャピした娘より、
大人しい娘の方が、良いと思うよ。』だって。

変なの…それで会話は成り立つらしい…
フォローのつもりなら…尚、変…。
クスッって笑ったら…
『笑顔も可愛いね。』だって…

バカみたい…

まったく、良く、そんなナンパなセリフが
くちからポンポン出て来るわね。

まっ、ナンパしてるんだから当然か…

『彼氏とか、いたりするの?』
え⁈……どうしょぅ…
咄嗟のことで、私は正直に
『いないわよ。そんな人……』って
…言っちゃって、
『どうして…?』って聞かれて、
良いことを思い付いた。

『私、理想が、高いの。』
まぁまぁの返事をしたツモリが…
『どのくらい?』って聞かれて、
『エ、エベレストの山頂くらい。』
って答えたら…

一瞬の間があって…大爆笑
『そりゃ〜〜凄く高いね〜。』だって…
…ウーキモい…
な、なによ、嘘じゃないもん‼︎

それからたくさん踊って疲れたので、
テーブルに戻って来た。
そうしたら、彼女達に
『私達、これから彼らと、他の場所に
行くんだけど…直美、どうする?』

だ、なんて…えッ!いきなり、何の展開⁇

私は気が進まなかったので
『今、何時?』って聞いてみた。
『もぅ直ぐ11時だけど…』
もう…そんな時間なんだ…
『悪いけど、私、用事があるの。
だから、もぅ帰るね。』そう返事をしたら…
ダンスを踊った男が…
『えぇッ…⁉︎ 帰っちゃうの⁉︎』だなんて…
慌てた様子…

何⁇

私はこれ以上いても
楽しい気分にならなかったから、
『ごめんなさい。とっても残念だけど…』と
言葉を続けようとしたら…
『そっか〜そりゃ〜仕方無いな…
じゃァ〜LINE教えてくれる?』
えッ?何で…なんて言おう…
『で、パスワードは何?』

ぅ…シツコイ…

冴子と由起が、そんな遣り取りを見て、
彼に勝手に私のLINEパスワード教えちゃって
彼は『また、遊ぼ。LINEするね。』って嬉しそうに…

もぅ…余計な事しないでよ…。

キッて冴子と由起を睨んだけど…
彼女達は気付かず…
みんなで外へ出た後…其々に別れた…。

なんか、疲れた…
彼女達、何を考えているんだろ?
ナンパされて、喜んでるみたいだったし…
随分、勝手過ぎる、少し冷たかった様にも感じて…
それともこれは嫉妬かなぁ〜
みんながが当たり前に経験していた事を
私、何も知ら無いから…
何となく、ムカつくし複雑な気分…
こんな気分になるなんて…
和也くん達といた方が、まだ、マシかもしれ無い…

あッ…⁉︎
そうだ…あの変な男…
私、名前すら知ら無い…
それに、LINE、繋げられて…
TELとか、掛かって来たら、どうしょー⁉︎
今更、何を言っても、後の祭り…
掛かって来たら、ブロックしてやる〜〜
どうせ、興味無いし…
断れば良いんだから…

そういえば…
ナンパされたのはじめてだったんだ…
ナンパッて、もっと、
ドキドキするもんだと思っていたけど…
全然、平気だった…。
どうしてかな〜⁇

私、男の子になってから、
随分、思い切りが良くなった気がする。
過去は、人の目ばかり気にして、
ビクビク、ウジウジ、してたのに…
人間、変われば、変わるものなのね〜
我ながら、スゴイッて思う。


今日は、ココまで、
読んで下さりありがとうございました。
次回まで、マタ…

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