第22話

戸惑い…
39
2018/01/13 10:28
私、天野直美、15歳。
高校1年生の女の子。

前回の続きから…
興味の無い方は、スルーしてね。



沙織里さんは、夕食に食べて!と
作ってくれた、焼うどんを残し
帰って行った…。

彼女が、帰ってからも、
嘘をついてしまったと言う気持ちが
心を暗く塞いでいた…

それでも、なんとか自身を励まして、
折角、夕飯に作ってくれた、焼うどんを
レンジで温めていた時だった…

突然、携帯の着信音
びっくりしながら見ると、
身に覚えの無い番号…
恐る恐る出てみると…

誰か、わからない声が…
この、ナンパな台詞は…⁈

そう、例のクラブであった男⁈

『そちら、天野さんでしょ、
直美さん⁉︎ ですょね…
この間は、ありがとう。
よろしければ、これから、遊びに
行きませんか?』

まったく、こんな気分の時に…

って、問題じゃ無い、けど…

『ハィ、そうです直美です。
ごめんなさい…
これから友達と約束があって…』

『え⁈ ええ〜それは残念だなぁ〜
折角、君とデート出来ると思って、
レストラン手配したのに…』

『ごめんなさい…』

『そっかぁ〜仕方無いね。
良いよ。気にしないで、じゃぁ、
今度、行こうね。おやすみ〜』

は⁈
言うだけ言ってTELは切れた…

何⁈ それ⁉︎
訳わかんない…

勝手で、シツコイ奴⁉︎
あの時も、だけど…

同じ男でも、和也くん達とは、大違い。

そんな色々な事があってから、
3日たった、ある日…



今日はゲームセンターに来たんだけど…
和也くんが、居なかったので、
コンビニで、お握りとお菓子とジュースを
買って、マンションに帰って来たら、
ドアの前に、誰かが、立っていた…

『どぅしたんだよ、和也⁈』

『よッ、ちょっと話があるんだ…』

こんなドアの前での再会なんて
びっくりしちゃった…

こんな所で、立ち話も、なんなので
家の中へ…
私は、学生服が入っている
紙袋を、みつからないように
クローゼットの中へしまって…

あーあ
制服シワになっちゃう…
まッ、仕方無いわよね〜
こんな状況じゃ〜

『で、話って、何?』
『あぁ、実はさ〜あの娘の事なんだけど…』

あの娘、と言うのは、勿論、
笑顔の可愛い娘の事…

『何か解ったのか?』
『いゃ〜それが、良くわかんなくて、
で、どうしたら良いかと思って、な』

あ…でも、そうか〜そうだょね〜
話しても無いのに…
そんなの解る訳無いもん…
でも、どうしたら良いッて言われても…
困っちゃう…

『お前だから、言うけど…
俺、その娘の事、考えると、
頭がいっぱいで、本当、参っちまうょ…』
と、溜息…

こんな時、同じ男の子なら…
なんて、返答すんだろぅ…

私には、痛いほど、
和也くんの気持ちが解る。

本当の本気で、その娘の事が、好きなんだ…
だから、本当なら…
友達として、和也くんを
助けてあげなきゃいけないんだって…

わかっているのに…

何故か、言葉がみつからない…

『なぁ〜良、喉、乾かねぇ〜』

私は、自身の世界から、ハッとして
慌てながら、
『アッ、ごめん、缶コーヒーなら
あるけど…飲むか?』
和也くんが頷いたので、
冷蔵庫にある缶コーヒーを2本取って、
その内の1本を和也くんに投げた…

上手くキャッチした和也くんは、
『thanks』と言い、
プルトップを開けて
ゴクゴクと美味そうに飲んだ…

『俺さぁ〜自分でも、まさか、ここまで、
本気になるなんて、思わなかった…』

私は、自身の缶コーヒーを開けて
飲みながら、無言で、それを聞いていた…

『あの娘の事は、まだ…
何も知ら無いのに…な』

そんな寂しそうな和也くんを見ていたら、
突然、胸が、ギュッッて苦しくなった。

まるで、何かにギューッて掴まれたような…
今にも涙が、溢れそうな感覚…

な、何⁉︎

私、どうしちゃったの⁉︎

自身の状態に狼狽えていたら…

『しかしさぁ〜どうやったら、
あの娘の事…もっと調べられるかなぁ〜
色々、やって見たんだけど…
全然、わかんなくてさ〜』と…

躊躇いながらの言葉に遮られ…

え、色々、って…何?疑問が浮かんだ。
『色々、って?』

『ん〜まず、後をつけたり、
何気なく側を通ったり、とか…』

そ、それって…

『それじゃ、まるで、ストーカーじゃん』

呆れながら答えたら、

『仕方無いだろ〜それしか方法が
ねぇんだからょ〜』

ムキになって答えた和也くん。
そんな姿を見ていたら…

何故か、胸の奥が、キューッてなって、

や、なんか変…⁉︎

それを反らしたくて会話を続けた。

『ごめん、それで、何か解ったのか?』

『まぁ、な、彼女の学校と年ぐらいは…』

『へぇ〜やるじゃん。で、何処の学校、
幾つの娘だょ。』

『学校は南高で、年は俺たちと同じぐらい』
鼻高々に答える和也くん…

え⁈エ⁈

えぇ〜〜⁉︎

信じらんない…⁉︎
危うく飲んでたコーヒーで、
窒息する処だった…

だって…それって…
私の通っている高校じゃない…

『結構、苦労したんだぜ〜
ここまで調べるのはさぁ〜〜』
頬を紅く染めながら、自慢げに話し出した。

その娘が女友達と会話をしている話を
盗み聞きしたんだって事を…

ちょっと、ちょっと、
それって…自慢出来る事なの⁈

もぅ…
女の子の会話を盗み聞きするなんて
最低ょ…

その娘に知られたら、
フラレちゃうんだからね〜

『なぁ、良、何か良い方法無いかな〜〜』

『方法、ね、方法かぁ〜〜』

そんな事…わかんないよ…

動揺を隠すために、相槌打って、
言葉を濁す私に…

『良〜〜友達だろ〜協力してくれょ〜』と
泣き付く始末…

そんな和也くんに…気圧されて…
2人で考えたんだけど…
結局、何も浮かばなくて、

夕飯にカップラーメンと
コンビニお握りを分けっこしながら

いつしか話題は友達へと移行し、
その日の夜遅くに、
和也くんは帰って行った。


なんか、複雑な気分…

和也くんが好きになった娘が、
私の通っている学校の娘だなんて…
しかも、同じ1年生…

確か、家の学校…

1年生、全5クラスで、1クラス38人だった…
その中のたった1人の女の子が、
その娘なんだ…
いったいどんな娘なんだろう…

イヤだ…
私ったら…

和也くんが、誰を好きでも、
別に良いじゃなぃ…
関係無いし…

でも…なんか、気になっちゃう…
同じ学校の娘だって事が…



次の日…
私は学校で、落ち着かなかった…

昨日、和也くんに、あんな話をされたから…

まさか…私のクラスにいないよね、
なんて
気になっちゃって…

何でかな?

ひょっとして、私…
和也くんの事が、好きになったの⁇

まさか…
そんな筈は無い…

だって…私、
男の子って…
クラスの子も苦手だし、

やっぱり、まだ…

虐められてた時の事を思い出しちゃう…

まだ…怖くて…

だから…和也くんの事が気になったのも…

きっと、

友達って言うのを、持った事が
なかったから、
誰かに取られる様な気がして、
淋しくなったのかも知れない…

うん、きっと、そう…

これは友達を取られるかも知れない
不安が招いた嫉妬かも…

今まで、ひとりぼっちだったから…

誰かと付き合ったり、
友達になったり、
遊んだり、
した事がなかったから…

だから…寂しくなったの?


私と和也くんとは男友達同士で、

和也くんに彼女が出来たって…

ずっと友達で、いられるもん…

なのに…嫉妬なんて、バカみたい…

その時の私は…

自分の気持ちに、
全然気付いていないで、

これから、おこる大事件の事など
知る由もなかった…




ごめんなさい…
今回はココまで、

読んで下さった方感謝致します。
続きは、マタ……。

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