第2話

忘れ物。
2,325
2017/10/21 11:13
朝6時。
目覚まし時計のアラームが鳴り響く。
あなた

はぁ!!
学校遅刻する…!!

慌てて飛び起きるが今日は日曜日。
安堵すると同時に大事な用事を思い出した。
あなた

今日Fischer'sの大人数企画の日だ…!?
やば、準備しなきゃ…
とりあえず朝ご飯!!

(わたわたと準備をする)


前日に準備しなかったせいで余裕が無いので取り敢えず家を出発。
会場へと急ぐ。

会場で、まず入場許可をもらい持ってきたジャージに着替える。
あなた

(っと…
え!?もしかして…
シューズ忘れた…!?)

困り果てた私は更衣室を出てスタッフを探す。
あなた

あの…
シューズを忘れてしまったのですが…

スタッフ
申し訳ありません、シューズがないと参加は認められません。
あなた

え…
でもあの、貸して頂くこととかって…

スタッフ
出来かねます。
あなた

じゃあ、どうしたら…

スタッフ
ジャージまたはシューズを忘れた場合、見学という形になっております。
あなた

わ、分かりました…。

あなた

(どうしよう。楽しみにしてたのに…)

泣きそうになりながら体育館の隅に座る。
涙が溢れてきて思わず俯いた。
Fischer'sのファン
キャー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
突然の黄色い悲鳴に驚いて声の方を見る。
Fischer's
おぉ…人数やべーな笑
…お待たせぇぇぇ‼︎‼︎‼︎‼︎
みんな大人数企画きてくれてありがとうな‼︎
自分がいる場所からは遠くて、同じ空間にいるはずなのにテレビの映像を見てるみたい。
みんなは手を振ったりメンバーの名前を叫んだりしている。
あなた

いいなぁ…
ずっとこんな状態なのかな…

あなた

(でも、もしかしたらゲームが始まったら
スタッフさんが気の毒に思って参加させてくれるかも‼︎)

ポジティブ思考じゃないとやってられない、と
無理矢理あり得ない期待なんかしてみたり。




でもやっぱり、ゲームが始まっても誰も私なんか気に留めない。
コートでは大勢のファンと一緒にシルクロード、ンダホが楽しそうに走り回っていた。
コート外に目を移すと
第一試合には出ないのだろう、
モトキとマサイはスタッフやファンと一緒におしゃべりやゲームの応援などをしている。
あなた

もう嫌だ、帰ろ…

荷物をまとめて立ち上がる。
楽しそうな声を背中で聞きながら、私は誰にも見られないようにして
そっと体育館を出て行った。

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