第27話

事件。
1,845
2017/10/26 14:34
その後も何度か動画に出させてもらい、Fischer'sの皆さんとも打ち解けてきた。

最初はアンチしてくるウオタミさんも当然いたが、
今ではマサイの妹としてすっかり受け入れられてきた。




そして今日は私とFischer'sにとっての記念日。
ということで、ウオタミさんへのご報告動画を今から生配信する、ということになっている。
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シルクロード
どうも‼︎Fischer'sシルクです‼︎
ンダホ
ンダホです‼︎
モトキ
モトキ‼︎
マサイ
マシャイ‼︎
そして…
あなた

あなたです‼︎

シルクロード
今日は…久々の生配信ですねぇ‼︎
モトキ
あー、確かに。
シルクロード
というわけで…
今日は何やるんですか?
ンダホ
ぅおい‼︎笑
マサイ
今日はですね…‼︎
記念日でございますよ‼︎
シルクロード
なんのですか‼︎
マサイ
今日はですね‼︎
遂に‼︎あなたが独り暮らし始めた記念日です‼︎
Fischer's
いぇぇぇぇい‼︎👏
モトキ
じゃああなたにインタビューを…笑
シルクロード
じゃあ…どこに住むんですか‼︎
あなた

兄の家の隣です‼︎笑

マサイ
ですね‼︎笑
モトキ
次は…
ンダホ
はいはいはい‼︎
ご飯は…




実際、家の事情で一人暮らしをしなければならなくなり、
それならば、とマサイさんの家の隣に引っ越してくることになったのだ。
学校も通信制に変わった。




マサイ
はい、ということでですね、これからこいつが動画に出る機会も増えると思います。
これからもどうぞ俺らと、そしてこいつを、よろしくお願いします。
全員で頭をさげる。


そこで私は、妹感を出すために少し頭を持ち上げてこう言った。
あなた

ていうかさ、私の一人暮らしって別に記念日じゃなくない?

するとマサイさんがこれまたお兄ちゃん感を出すためにこう答えた。
マサイ
いいんだよ。お前の一人暮らしは家族である俺の記念日。
俺の記念日はメンバーにとっても記念日。
メンバーにとっての記念日は、ウオタミさんにとっても記念日なの。
だからお前は素直に祝われとけ。
しかしこの時、マサイさんはキザな台詞を言うのが恥ずかしかったのか、
私の頭を撫でてしまった。

この時私は動転してしまい、
あなた

マサ…お兄ちゃん、やめて。

思わず“マサイ”と言いそうになってしまった。


私とマサイはお互いに顔を赤くしたまま、
さらにメンバーも焦ってしまってグダグダなまま動画を切ってしまった。
明らかに私たちは不自然だった。
それは、そこにいた誰もが感じていたに違いない…。

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