第29話

郵便BOX
1,773
2017/10/31 13:21
翌朝。

いつも通り着替えて顔を洗い、朝食を摂ってから郵便受けを見に行く。

寝惚けて昨日の事はすっかり忘れていた。
あなた

あれ、シルクさん。
おはようございます。

シルクロード
おう、おはよう
この後すぐマサイの部屋来れるか?
あなた

分かりました。
あ、じゃあ今郵便確認しちゃいます。
そしたら直で行けるので…

郵便物を取り出し、確認する。

要らないチラシは捨てて…
あなた

(あれ、なんか封筒が入ってる…)

差し出し不明の封筒が3通ほど届いていた。

薄いが、何か入っているようだ。
あなた

痛っ…

封筒を開けた瞬間手に鋭い痛みが走り、思わず声を上げる。

帰りかけていたシルクさんがこちらを振り返った。
シルクロード
どうした?
あなた

いえ、なんでもないです。
か、紙で手を切っちゃったみたいで…

心配を掛けたくなくてとっさに嘘を吐く。

自分の手を背中に回して…
シルクロード
大丈夫か?
見してみ。
あなた

い、いえ
大丈夫ですっ‼︎

シルクロード
…。
あなた

(う、上手く誤魔化せたかな…)

そう思った時、いきなりシルクさんが抱きついてきた。






困惑しているうちに手を掴まれ…
シルクロード
お前、これ…‼︎
血の滴る私の手を見て驚くシルクさん。



封筒を奪い、


手を掴んだままマサイさんの部屋へ。
シルクロード
お前は手を洗ってこい。
あなた

は、はい。

言われるがままに洗面所へ向かう。

水を出し手を洗うが血は流れ続ける。

15分ほどかけて止血し、リビングへ入る。

メンバーは深刻そうな顔で話し合っていた。
シルクロード
あなた。ここ座って。
ちょっと話したいことがある。
モトキさんとマサイさんの間に腰を下ろすと、シルクさんが話し始めた。
シルクロード
まず、今後の動画について。
今回の件で動画を休止すれば、俺らは逃げたことになる。
だから、リスナーさんには謝罪の動画を出して、本当のこと言おう。
あなたが出るかどうかはお前が決めることだ。
出たくなければそれに関して俺らが何か言える筋合いはないし、
出たいのであればそれなりの覚悟を持て。
アンチやストーカーなんて日常茶飯事。
シルクロード
だけど…命の危険に晒すわけにはいかない。
強引かもしれないけど、今日からしばらくはモトキの家にいてほしい。
こいつの家はまだ住所特定されていないし、1人暮らしよりも安全だと思う。
これは、俺らからのお願いだ。



正直何が起こっているのかわからず、ただ頷くことしかできなかった…。

プリ小説オーディオドラマ