翌朝。
いつも通り着替えて顔を洗い、朝食を摂ってから郵便受けを見に行く。
寝惚けて昨日の事はすっかり忘れていた。
郵便物を取り出し、確認する。
要らないチラシは捨てて…
差し出し不明の封筒が3通ほど届いていた。
薄いが、何か入っているようだ。
封筒を開けた瞬間手に鋭い痛みが走り、思わず声を上げる。
帰りかけていたシルクさんがこちらを振り返った。
心配を掛けたくなくてとっさに嘘を吐く。
自分の手を背中に回して…
そう思った時、いきなりシルクさんが抱きついてきた。
困惑しているうちに手を掴まれ…
血の滴る私の手を見て驚くシルクさん。
封筒を奪い、
手を掴んだままマサイさんの部屋へ。
言われるがままに洗面所へ向かう。
水を出し手を洗うが血は流れ続ける。
15分ほどかけて止血し、リビングへ入る。
メンバーは深刻そうな顔で話し合っていた。
モトキさんとマサイさんの間に腰を下ろすと、シルクさんが話し始めた。
正直何が起こっているのかわからず、ただ頷くことしかできなかった…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!