優栗とは話さずに家に帰った私は、今現在ベッドに転がって考え事をしている。
さっきまでは勢いに任せて、優栗に全て言ってしまうつもりだったけど今考えると彼女に少し言われただけでテンパってしまう私に言えるのかとても不安だ。
私はこの手の友好関係的な時の頭は良いとは言えない。
自分の力では解決できないことはわかっているので、咲よりも相談させてもらってる大切な幼馴染様に相談することにした。
少しの空間を空けて隣り合っている幼馴染の友哉の部屋に電気が付いていることを確認して私は叫んだ。
すると、ドドドと怒ったような足音が聞こえると勢いよく窓が開いた。
私がそう言うと、ため息をついてから窓を乗り越え私の部屋へ入ってきた。
嫌そうな顔をしているけど何だかんだ話を聞いてくれるところが優しい。
彼には相談の内容がバラバラらしい。
そんなわかりやすいのかな、なんて思うとふっと笑いが溢れる。
何で笑ってんだよ。彼はそう言うが、気にしないで、と返して私は相談をする。
え?どういうこと??
私の気持ちを察したのか彼は呆れ顔で続ける。
うわー。と言いながら私はベッドにダイブする。
せっかく考えてやったのに。なんてぶつくさ言ってる友哉に、ありがとうございますーなんて言いながらベッドで転がる。
こんなに私が彼に相談したりふつうに話せているのもただの幼馴染、というわけだけではなく彼は学年主席で頭が良い。プラス無駄に整ったお顔のせいで世渡りが上手く、誰とでも仲良くなれる。
そのせいで、前野くんとも仲が良い。
私がそう言うと彼は意味がわからないというふうに肩をすくめて
彼は笑みをこぼしながら言った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。