賢人は家まで送ってくれた。
って、隣だから当たり前か。笑
お互い自分の家に入る。
千秋先輩のマスコットは、「明日先輩に渡す」って賢人が持ってる。
先輩と賢人は、中学の時塾が一緒で知り合いらしい。
私は、今日みんなが習っているであろう内容を勉強した。そうしたら仕事が終わったお母さんが帰ってきて、ご飯を食べて、お風呂に入って、ベットに入った。
今日起こったことを思い出す。
学校に2人で行って、教室を飛び出して、喧嘩して、先輩に抱きしめられて、賢人に嘘をついて…。
仲直りしたけど、その選択が正しかったのかは、よくわからない。
そんなことを考えていたら眠りについて、
いつもと同じように起きて、
いつもと同じ時間に家を出た。
大体賢人と鉢合わせるのに、今日は出てこなかった。
「もう家出たのかな?」
そう思い、1人で駅に歩いて行く。
学校に着くと、昨日のようなことは起こらず、平和だった。いつめんが話しかけて来て、他愛もない話をしただけ。
賢人と一緒に来なかったからかもしれない。
教室を見渡しても、賢人の姿は見つからなかった。
1時限目が始まっても、二時限目が始まっても、放課後になっても、彼の席は空っぽだった。
そして私が1人で帰ろうとすると。
ある人が私に話しかける。
「あなたちゃん、一緒に帰ろうか。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。