第19話

看病
975
2017/12/14 22:41
20分ほど経った頃。

賢人の聞いたことのない声で目が覚めた。


高熱で、うなされていた。

眉をひそめて、激しく寝返りしている。

「ううぅぅ…ぅわぁぁぁぁっ」

泣きそうな顔で叫び出した。
あなた

けんとーっ!夢だよ!

そう言って、賢人の肩をばんばん叩く。


すると、

うなされていたのはおさまった。


でも、




「こわい…」

目を瞑ったまま、そう呟いた賢人。


何が怖いんだろう…。


きっと今回の熱もストレスが溜まって出ちゃったんだろうな。




「あなた…。」




私の名前を呼んだ。

夢に私が出てきてるの?




「ん、離れて…行くなよ……。」




思わず頬が緩む。




「行かないよ。ここにいるじゃん。」




私もそう呟いた。


すると賢人は、幸せそうな笑顔になった。



本当に寝てるの?

って思ったけど、寝息を立てているからちゃんと寝てる。


額に手を当てると、まだ熱かった。

今は夕方の5時半。


起きる前に、ご飯が作っておいてあげよう。

やっぱりお粥かな。

私は立ち上がった。

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