
第1話
赤塚幼稚園の六つ子の先生
小さい頃から憧れていた保育士になるために、必死で勉強してやっとのことで保育士免許を取り、紹介されてやってきたココ、「赤塚幼稚園」。......なんというか、ボロい。
東京からバスや電車を乗り継いでやってきた赤塚幼稚園がある「赤塚村」は、本当に想像してたド田舎だったのでだいたいイメージはあったが.......ここまでだとは…。
表に出ている“赤塚幼稚園”の札はボロボロで「赤塚幼....」しか読み取れない。外に設置してある遊具が風に揺れて、ギーギーと鉄の嫌な音がする。
私は周りを見渡しながら、一歩一歩、ゆっくり玄関に近づいていく。
いかにも古そうな玄関の扉を前に私は立ち止まり、深く深呼吸をする。
私は、錆びてガタガタと音をたてる扉を開いて足を1歩踏み入れる。
印象を良くしようと、元気に挨拶をしようとした瞬間に、廊下の奥から何かがこちらに向かって体当たりをしてきて尻餅をついてしまった。
先ほどわたるが走ってきた廊下から、先生らしき男の先生が両腕に小さい子を抱えてやってきた。
私は緊張しながらも、言葉を並べてぎこちない自己紹介をする。
相手の先生は気難しい顔でこちらを見ながら、ため息をつく。
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階段を登る途中カラ松がこちらを振り返って挨拶をする。
話していると、ある部屋の前に着きカラ松が立ち止まる。
カラ松は苦笑して職員室のドアをノックする。
ガラリとドアが開く。職員室というから広いものかと思ったが、中はそれほど広くはなく大きい机に椅子が6個置いてあり、お菓子の箱やおそらく発表会などで使うのであろう小道具や衣装が奥のスペースに山積みになって置いてあった。
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