私は、なんだか先輩を見ていると
すごく泣きそうになって、
やっぱり先輩の試合を見るのはやめた。
真衣「はぁ…」
菜穂「…私、飲み物持ってくるわ!」
真衣「うん!りょーかいっ」
菜穂「真衣のも持ってくるね?」
真衣「ありがと~」
私は何やってるんだ
菜穂にまで気を使わせてる
悠人「何してんの」
私が沈んでいると、悠人が来た
真衣「悠人!あ、いや〜休憩?あはは…」
なんて言い訳すればいいか分かんなくて、
変な返事になった
悠人「…きもちわるっ」
真衣「うるさーい!」バシッ(悠人を叩く
そこまで言わなくてもいーじゃん?
って、叩きすぎたかなぁ
悠人「いってぇ…」
その瞬間、目に涙が出てきて、
私の頬をつたってきた
真衣「う、うるさ、い……」グスッグスッ
悠人「え…ご、ごめん」
沈黙があった、数秒後
私は何かに包まれた
真衣「…へっ?悠人?」
悠人に抱きしめられていた
悠人「泣いてるとこ見られたくないだろ」
真衣「あ、…ありがと」
多分、1分くらいだったと思う
私はずっと、悠人に隠してもらってた
真衣「もー大丈夫、ありがと」
悠人「おう」
私は、ダメダメだ
こんなに人に気を使わせて、お返しが何も出来ない。
菜穂「真衣ー!!お待たせ!」
真衣「あ!菜穂!」
菜穂「あれ、高原もいたんだ」
悠人「あーうん、まあ」
真衣(ぼーっとする
菜穂「真衣?大丈夫?」
真衣「あ!うん!!」ニコッ(作り笑顔
悠人「…俺ならそんな顔させないのに」ボソッ
菜穂「ん?何か言った?」
悠人「何もない、俺行くわ」
真衣「ありがとね、悠人」ニコッ
悠人「…おう」
悠人はいつも、私を助けてくれる
私もいつか、お返しできたらなぁ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!