第27話

帰宅
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2017/11/03 16:05
ユーマ
ユーマ
ふー、やっと着いたぜ、おらよ!
あなた

あ...。

無神の屋敷に着くとアズサとユーマはあなたの掴んでいた腕を離した。ずっと強い力で手を掴まれていたあなたはその場に座り込んだ。
アズサ
アズサ
...イヴ、大丈夫...?ああ...ふふ、ユーマがずっと力強く握っちゃってたら、そっちの方の腕、血が少しにじんじゃってるね...ふふ、ああ...すごく美味しそうで...いい匂いがする...。
あなた

え...?(あ、本当だ...)

アズサに言われてあなたが自分の片腕、ユーマの掴んでいた方を見ると確かに少し血がにじんでいた。
ユーマ
ユーマ
ああ、悪い、悪ぃ...俺、力加減分からなくてよ...本当、うまそうな匂いだぜ...今すぐ噛みつきたくなる...。
コウ
コウ
ふふ、そうだねぇ...。
あなた

え...?い、いや...(もしかして、また吸われる...?)

あなたは慌てて逃げようとしたが...
コウ
コウ
おっと...俺達から逃げられると思ってるの?それに...逃げようとしたら、昨日みたいにまた酷くて痛いことするよ...?
あなた

あ...。

ユーマ
ユーマ
それに...俺らと同じ屋敷にいるんだから、逃げられる訳ねーだろ...馬鹿だなぁ、雌豚...。黙って俺らに吸われてろよ...。
アズサ
アズサ
そう、だよ...イヴ...。俺達、学校行ってきて疲れたし...血を、吸わせて...?イヴだって、また気持ちよくなりたいんでしょ...?
あなた

い、いや...あ...。

あなたはコウ達に捕まり、引き寄せられた。
コウ
コウ
知ってる?エム猫ちゃん。俺達は、人間上がりのヴァンパイアで...他のヴァンパイア達とは違って、定期的に人間の女の血を吸わないと力があんま出てこないんだ...だから俺達兄弟はこうして学校に通って...放課後に隠れて女の血を吸ってたんだよ、昨日君が見たのはルキ君のそれ...。
あなた

え...?

ユーマ
ユーマ
俺達も隠れて女の血を吸っていたが、みんな意識を失って記憶をなくしてるから俺達のことは分からねぇ。その変わり...俺達のキバの感覚をその体だけは奥底で覚えてて、1回俺達が吸った女はみんな俺達のファンになっていく...は、俺達のことを学校で慕ってる女どもはみんなそうさ...。
あなた

え...(そんな、じゃあルキ先生のファンの子達もみんな...前にルキ先生が意識も記憶も失わせた状態で吸った子達ってこと...?)

アズサ
アズサ
...それでたまたま昨日君は...ルキが吸血してたところを見て...唯一、俺達の秘密を知る者となって、「イヴ」でもあった...イヴの血ってね、...ふふ、他の子達の血と違って...1回ちょっと吸っただけで力が湧いてくるから、しばらく血を吸わなくても...ううん、もう他の子達の血を吸わなくてもよくなるんだ...でも...美味しいから、こうしてすぐ吸いたくなっちゃうんだけどね...ふふ、...。
あなた

...っ、あ...。

コウ
コウ
君ももう、俺達のキバに夢中になって...待ち望んでるはずだよ...?素直になりなよエム猫ちゃん、俺達のキバが欲しいって...ね?
あなた

あ...。

そうしてあなたはあっという間に逃げられないように三人に囲まれ、身動きが取れなくなり...。
(作者より)原作とは違うと思いますが、こういった設定ということでお願い致しますm(__)m

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