第39話

帰り道
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2017/11/17 10:01
そしてルキ先生の授業が終わり、SHRも終わった。
あなた

(さてと...帰ろうかな...。)

いつからか私は皆から監視されながら一緒に登下校することがなくなり、登下校時は自由になっていた。
あなた

(まあ、私や他の子達には見えないだけで使い魔には監視されてるんだろうし...それにもう、あの家にはきっと戻ろうとは思わないから...。)

私はいつからかかつての家には戻ろうとも思わなくなっていた。戻ってももうほとんど荷物もないんだろうし、また一人になるし、何よりもルキ先生のことが好きになったからなのかもしれない。必要な物や親の写真は使い魔によってあの屋敷にあるし、何より...今まで実家で独り暮らしだった私にとって、あの兄弟と...誰かと共に暮らしているのが暖かった。
あなた

(兄弟皆仲いいし...まあ朝はだいたい皆一緒に登校するけど...。)

朝はだいたい皆と一緒に登校していた。ルキ先生は教師だから、授業準備などで先に出ていくこともたまにあるが、それでも他の3人とは一緒だったりしていた。下校もたまに一緒になれば誰かと共に帰ることもあった。
あなた

(下校は基本一人だけど...まあ登下校も一緒の時は前の魔力も使ってるみたいだし...逆らったりしなければ皆といるの、楽しいし...。)

あなた

(でも私が卒業したらどうなるんだろ...イヴだ、特別な血を持つ存在だっていうんなら今まで通り皆は私の血だけ吸って彼らと一緒なんだろうけど...でも嘘の姿でも今みたいに先生と生徒みたいな関係じゃなくなるんなら少しでも心を通わせたいよ...まあ、本当は先生と生徒みたいな関係じゃなくて、主人と家畜みたいなものだけど...でも...ううん、考えるのやめよ、卒業まではまだあるんだし!)

私は途中で考えるのをやめて屋敷への帰り道を歩いていた。そして、屋敷へと着いた。

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