あ「あ、いきなりごめんなさい。今日の朝の事でもう1回お礼しとこうと思って … 本当にありがとう ございました 。あれがないと学校入らせてくれないんですよね … なのですごく助かりました、」
ペコッ って感じの効果音がつきそうなほど頭を下げる君 .
そんな君も愛しいと思ってしまうほど .
涼 「あ、いえいえ 。 学校入れないんですか … 厳しいですね 」
あ「ですよね!ホントに困っちゃいますよ 」
って言ってからすこしの沈黙 …
聞きたいことたくさんあるのに 。いざとなる時人見知りは辛い .
自分の性格に イライラ しながらも勇気を振り絞る 。
涼「あの … 名前聞いてもいいですか … ? 」
最後の方聞こえてたかななんて思いながら恐る恐る君を見る .
あ 「 こんなに話してたのに名前言ってませんでしたね … 」
笑いながら言う君の名前に耳をすます .
あ「あなたです 。 あと、さっきの駅に近い 明井学園(あけいがくえん) に通ってます 」
こんなにも君にあった名前があるだろうか .
名前までかわいいなんて思ってしまう俺は君に相当溺れてるみたいだ .
涼「あ、えっと…俺は 山田涼介です 。 留堂高校(とめどこうこう)に通ってます 。」
こんなに慣れない自己紹介初めてです とか照れたように言う君に共感する .
あっという間に俺が降りる駅 。もうさよならか …
もちろんこんな気持ちになったのは初めてで。心臓は鳴り止まないまま。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!