早く帰るんだぞーっていう先生の声とともに騒がしくなった教室
でも今日はそんなことしてる場合じゃない
今日君に伝えるんだ .
俺のこの想いを 。
騒がしくなった教室を背にして俺は早足で教室をでた
靴を履き替えようと下駄箱にいくと
知「もう、遅い。」
有「待ちくたびれたよー!」
ビックリした。
2人がいるとは思ってなかったから .
知「緊張してるでしょ。」
涼「それは……うん、してる。」
有「俺達がその緊張をほぐしてあげようと思ってさ!」
この2人はやっぱりいいやつだ
改めて出会ってよかったと思う .
有「緊張しなくなるおまじない教えてやる!」
有「手のひらに 人 って書いてそれを飲み込むんだよ!!そしたら緊張しなくなるらしい!」
知「大貴、それみんな知ってる。効かないし。」
大ちゃんは ばあちゃんに教えてもらったのに… とか言ってるけど
そんなの知念はお構いなしに俺の両肩に手を置いて息を吸った
知「涼介なら大丈夫。絶対大丈夫だから。ただ自分の気持ちをそのまま伝えればいいだけ」
知「返事なんて考えなくていい。今思ってる事をいうの。ね、簡単でしょ?」
知念の目はまだ大丈夫と言ってるようで安心できた
こんなに勇気付けてくれる知念は何年ぶりだろう
小さい頃はよく転んでた俺に知念はいつも大丈夫大丈夫って言ってくれてた
小さい頃からそうだった。知念の大丈夫はすごく安心できたんだ
少し涙目になりながらも俺は声を振り絞った
涼「ありがとう。俺、頑張るね。」
知念に泣かされたのも何年かぶり
俺、お前からたくさんのエールをもらった。
頑張るから。自分の気持ちを伝えるんだ………!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!