気づけば家についていて
気づけばベッドの上
もう一度彼女とのトーク画面を開く
さっきと変わらず既読にならない俺のメッセージ
プルルルル プルルルル
突然部屋に響く着信音
知らない番号だった
涼「もしもし」
?「涼介くんのケータイですか?」
聞いたこともない相手の声
涼「そうですけど…えっと」
?「あ、ごめんなさいね。あなたの母です」
涼「………!!」
?「今から ととざわ病院 に来れるかしら?」
時間はそう遅くない
初めて聞いた彼女の母親からの電話に戸惑いながらも急いで準備をした
タクシーをひろってお母さんの言う病院に向かった
病院なのを忘れて館内を走った
彼女のお母さんは廊下に出ていてすぐ分かった
初めてみたお母さんにこんなグチャグチャな姿見られたくなかったけど
いきなり来てと言うものだから仕方がない
母「いきなりごめんなさいね。お話があって…」
彼女のお母さんは顔を曇らせた
母「中に入って」
涼「………!!」
頭に衝撃が走った
走って呼吸が整ってなかったことなんかどうでもよかった
息はできなく苦しかった
頭が痛くてくらくらしてた
そんなのもどうでもよかったんだ
そこには包帯や病院のチューブでたくさんの彼女がいたから
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。