涼介side
気づいたら家の目の前にいた
俺どうやってここまで来たのかな…
玄関に入ると少し乱暴に靴を脱ぎそのままベッドの方まで歩いた
バサッ
服装なんてどうでもいい
食欲だってない
今はひとりになりたかった
一気に瞼が重くなって俺は静かに眠りについた
ーーー
耳元で誰かが叫んでる
そっと目を開けると太陽が俺を照らしていた
あ「もう起きるの遅いよ~」
なんて言って呆れ気味の君
涼「…………え」
あ「え ってなによ~!ふふ、おはよう涼ちゃん。昨日ここに泊まったんだよ~?」
昨日のは夢 ?
君は朝ご飯を作って俺を起こしてくれている
涼「……あなたが生きてる、」
あ「ちょっとどういうこと ? あはは、勝手に殺さないでよ~」
もう!なんていいながら俺をペチペチ叩いてる君はいつもの君だった
安心しきった俺は君を思いっきり抱きしめた
涼「焦った。夢でよかったよ…」
あ「苦しいよー、私はずっと涼ちゃんのそばにいますよ」
いつものように笑いあって
君のご飯を食べて
幸せな時間だった .
涼「今日俺OFFだし…どこか行く ?」
あ「………今日はお家でゆっくりしたいな」
俺の大好きな笑顔で言うのは反則 .
このとき俺はこの時間がずっと続くと思ってたんだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。