ひと通り入学式を終えた後、それぞれの教室へ向かった。
寧々とはクラスが離れてしまった。
正直寧々以外にこの学校に友達がいないから不安で仕方ない。
きっと大丈夫だよね。。
びっくりするくらいの人見知りがある私はなんとか
大丈夫大丈夫と暗示をかけて、呼吸を整える。
「おはようございます。」
一瞬クラスがざわめいた。
自分のことでいっぱいだった私は、みんなより遅れて前を見る
「え、あれ担任?」
「やばくない?」
黄色い歓声、と言ったところだろうか。
その声の向かっている方にいたのは
身長180はこえているであろう、少し細身で顔が小さく、
見るからにイケメン、と言える男の人が立っていた。
さすがの私もこれは凄い、、と思ってしまった。
「まあまあ落ち着けって、な?俺は今日から1年、みんなの担任をする
竹内涼真です。よろしく!」
一斉に拍手が起きる。
「そうだなー。LHRの時間潰したいしなー。めんどくさいなー。。」
先生が、いきなり愚痴をこぼす。
「先生!彼女いますか?」
どこからかそんな質問が飛ぶ。
「なんだー、お前ら結構ガツガツだなー」
って言いながら少し照れる。
「いるかどうかは秘密で。いてそう見にえるか?」
「当たり前じゃーん!」
「まあーーー俺、イケメンだし?」
否定もせず、むしろ自分でイケメンと認めるあたり、
やっぱり真のイケメンは違う。
「やば先生ノリよすぎ笑」
「いや俺のこといいからさ!みんなの自己紹介しようよ。」
私が一番苦手とする最初の自己紹介が始まる。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。