第8話

優越感
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2017/10/23 13:15
初めて異性に対する好きという感情に気づいてから

初めての登校。

大して学校に慣れたわけでもないのに、

もっと不慣れな恋というものをしてしまい、
頭はずっとそれで支配されたまま。

少し暖かくなり、そろそろみんな夏休みに向けてわくわくし出す頃だ。

「お前ら!夏休みなんかな、まだまだだぞ!そんなことよりな!
一発目のテストだからな!こんな所でこけんじゃねぇーぞ!」

もちろん、ええええという文句があちらからもこちらからも
聞こえてくる。

涼真先生はその様子を見ながらどこか楽しんでいる。

みんなに向ける優しい笑顔。

かわいい...。

つい頬ずえをついて見つめてしまう。

どうせ席端っこだし、見てることはバレない。
というか見られることになんか慣れてそう。

そんなことを考えていると、不意に目が合った。

やばい、そらさないと、そう思っても動けない。
金縛りにあったみたいに先生と合った自分の目を離せない。

その時、
先生はさっきまでと違う顔を見せた。

笑ってる。笑ってるけれども、微笑みとは違う。

どこかこう、いじめっ子がするような、
左の口角だけが上がった悪そうな笑顔。

その後先生の方から目をそらされた。

「なんだあれ、、。」

でも少し、どこか自分の中でみんなが知らない顔を見れた
優越感に浸れたのは
秘密。

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