第10話

違和感
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2017/10/23 15:16
ある日の放課後。

いつも通り居残りして勉強する。
今はテスト期間で、みんなは食堂とか自習室とかで勉強してるから
比較的教室に人がいることは無い。

夜も更けてきた頃、

「涼しい…。」

夏が来る前の少しひんやりとした風が
教室の窓から通り抜ける。

「ねえ。」

いきなりそこへ先生とは違う、
綺麗な透き通るような声の女の子が入ってくる。

「?」

クラスではいつも涼真先生についていって、
割と先生にも気に入られてる方の女の子。(だと勝手に思っている)

「いつも残ってるね!お疲れ様!」

「あ、ありがとう、、。」

突然話しかけられ混乱する。

「あーごめん、ちゃんと自己紹介してないね。
同じクラスの椎名嶺亜です。」
「お、おなじく、このクラスのあなたです。。」

その女の子は顔が小さくて目が大きくて、スタイルも良くて
とても可愛らしい女の子。

「これからよろしくねー!」

そう言って可愛く私に笑いかけた。

私も少しひきつりながらも笑顔でよろしくねと返した。

「あー、ねえねえ、私もこれから残っていい?」

戸惑った。

何が嫌なのか分からなかったけど、
妙な心の違和感を覚えた。

もし先生が前みたいに来たら。

来るようになったら。

先生は確実に嶺亜ちゃんと話すだろう。

それが耐えられない。

苦しい。

でも、今はとにかくせっかく話しかけてきてくれたクラスの子だ。

とりあえずいいよと返した。

その子はまた嬉しそうに笑った。

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