「おはよう!」
小鳥が朝日に照らされながらさえずる朝。
今日はとっても幸せな気分!
私は門を駆け抜け急いで教室へ向かう。
寝癖を直す人。
清掃をする人。
支度をする人。
いつも通りのことなのに、
なんだか今日は全てが輝いて見える。
涼介もういるかな?
期待に胸をふくらませ辺りを見回した。
なんだか照れくさくてなかなか会話が進まない。
「キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴った!
なんというベストタイミング!
ゆいがいなくなり二人きりになった。
ずっとなりたいとは思っていたけど、なってみると
意外と気まずい。
「さっ」
なにこれ。
机に投げ込まれたのはノートの切れ端。
(涼介の?)
身振りで聞いてみた。
(うん)
頷いている。
どうやら伝わったよう。
(私に?)
また聞いた。
(うん)
そしてまた頷いた。
疑問に思いながら開いてみると、
そこには
「好き」
の二文字だけが書かれていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!