第10話

#10 幸せな気分
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2017/10/24 12:49
「おはよう!」

小鳥が朝日に照らされながらさえずる朝。
今日はとっても幸せな気分!
私は門を駆け抜け急いで教室へ向かう。

寝癖を直す人。
清掃をする人。
支度をする人。

いつも通りのことなのに、
なんだか今日は全てが輝いて見える。
涼介もういるかな?
期待に胸をふくらませ辺りを見回した。
里奈
あ、涼介おはよう
涼介
おは
なんだか照れくさくてなかなか会話が進まない。
里奈
い、いい天気だね
涼介
おう
里奈
でも、ちょっと寒いかも
涼介
んな
ゆい
おはよ
ゆい
ってなんか変だよ 笑
里奈
え?
ゆい
なんかよそよそしいっていうか
涼介
別になんでもねーよ
ゆい
ふーん
「キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴った!
なんというベストタイミング!
担任 新田 健介
お前ら席つけー
ゆい
あ、じゃあ行くわ
里奈
ばいばい!
ゆいがいなくなり二人きりになった。
ずっとなりたいとは思っていたけど、なってみると
意外と気まずい。
「さっ」
なにこれ。
机に投げ込まれたのはノートの切れ端。

(涼介の?)
身振りで聞いてみた。

(うん)
頷いている。
どうやら伝わったよう。

(私に?)
また聞いた。

(うん)
そしてまた頷いた。

疑問に思いながら開いてみると、
そこには
「好き」
の二文字だけが書かれていた。

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