第11話

#11 ベンチ
41
2017/10/24 12:51
「はぁー」
学校が終わった。
家に帰って何をしよう、と考えていると
涼介
さや、今日遊べる?
里奈
いいけど
涼介
んじゃあ桜ヶ丘公園
4時集合な
里奈
わかった
また会う約束をしてしまった。
やっぱり涼介を苦しめることになるのかな。
ごめん。
そんな心配を胸に涼介のもとへと向かった。
里奈
ごめん!
遅れた。
涼介
俺、遅刻嫌いなんだけど
里奈
どこぞの誰が言うとんねん!
涼介
笑笑
里奈
あ!
まだあのベンチあったんだ。
涼介
あぁ、本当だな
里奈
私達が幼稚園の時でもぼろぼろだったのに
涼介
んな
里奈
ベンチ行こ
涼介
おう
今は12月。
すごく寒いのに涼介といると
なんだかほっとあたたまる。
落ち着くな。
そんなことを思いながらいろんな話をした。

気づけばもう5時だ。
日も落ちかけている。
あっと思い出し振り返る。
そこに広がる景色はまるでこの世のものではないようだ。
真っ赤に燃える夕日。
それは、私たちに強く生きろとメッセージを
送っているようだった。

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