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9月25日。
自分の家の付近にある駅には、ざわざわと学生達が集まっていた。
今日は待ちに待った林間合宿だ。
私が通っている【米沢高校】では、毎年6人班で一つのロッジに6泊7日泊まることになっている。
班内で決めた予定に沿って6泊過ごすのだ。
私、千寿は、幼なじみの結依が来てくれるのに物凄く嬉しかった。
結依は、滅多に学校に来ない、いや、来れない子だった。
最初は大丈夫かな?なんて思っていたが、その気持ちはだんだん薄れ、結依に会えるとゆう喜びに変わっていった。
『千寿!早くしないとバス来ちゃうよー』
そう私の名前を呼んだのは、私と同じ班で、班長の優だった。
はーい、と言ってバスに向かおうとすると、不意に後ろから誰かにふくをひっぱられた。
『千寿ちゃん....!』
私の服を引っ張っていたのは、結依だった。
『あぁ結依、おはよ。良かった、一人で来れたんだね』
そう言って私は微笑むと、結依はちょっと笑い、
『千寿ちゃんに会いたくて早く起きちゃった....』
と言った。相変わらず破壊力のある笑顔だ。
『そか。..あっ、それよりバス早く座んないと隣に慣れないかもよ!』
そういって私は急いで結依を連れてバスに向かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。