今日は両親が一時帰国する日。
お母さんとは、ついこの間アメリカで会ったけれど少ししか話せなかった。
今回は2〜3日は滞在する、ということなので本当に楽しみなのだ。
1時間ほど前に“飛行機乗りました"という連絡が来ているので、
あと9時間もすれば到着するだろう。
出掛けるまで、あとどれくらいあるかな?
時計を見上げる。
そう言ってテレビをつける。
ちょうどニュースが始まったところだった。
ちなみに、Fischer'sのメンバーは「両親が帰ってくるなら」ということで
昨日のうちにそれぞれ自分の家に引き上げていった。
だから家の中は静かで、ニュースがよく聞こえたんだー。
テレビに映し出される、悲惨な光景。
海に浮かぶ機体。周りには火の着いた破片が散らばっている。
嫌な予感が、した。
兄を振り返り話しかける声は震えていた。
嘘だ…。なんかの間違いだ。
そんなこと、あるはずないもの。
そうだよね、大丈夫。帰ってくる。
兄弟で不安を抱きつつ、キャスターの次の言葉を待った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。