んん…
ここは…
どこだ…?
薬の匂い…
シーツの感触…
保健室?
結愛??
もしかしてあの後…
……
…………
……………
「あの!そらくん!」
もう1度謝ろうと立ちあがった瞬間
眩暈が起きて目の前が真っ暗になった
そらの名前を呼んでも何も聞こえない
誰…?
どこにいるの?
なんで私のことを知っているの?
ずっと…?
大切な存在…?
キーーンと頭が痛くなる
そのまま声が聞こえなくなった
先生の呼び起こす声で目が覚めた
「先生…?あ、だいぶ良くなりました…」
さっきみたいな眩暈もなくなり
視界もいつも通りだ
「はぁ〜い、、、」
「ありがとうございました。」
保健室を出ていこうと扉に手をかけた瞬間
向こう側から…
身長の高い男の子が入ってきた
「きゃっ…」
私に気づかなかったのか驚いた顔で
と、真顔で謝ってきた
「あ、こっちこそ前見てなくて…すみませんでした」
謝ってからもう1度男の子の方を見る
背が高く、切れ長の目。
その目にかかるほど綺麗に流れている前髪。
触りたくなるようなさらさらの髪の毛…
その男の子から目が離せなくなってしまった
…
……
………
…………
……………
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。