第3話

1話
440
2017/10/24 12:14




どこまでも吹き抜けていく風。






その風は森林を揺さぶりかける。













あなた

…ここ、どこ……?








一人前の忍になる為に家を飛び出して来て、地図も使わずにただ己が向かう方角に突き進んで行ったら…迷子になってしまった。







あなた

どうしよ…。






そうおもっていると突如、誰かに肩を叩かれる。





あなた

ひゃ…!







私は思わず懐から短剣を取り出して、肩を叩いた相手の首元を狙って斬ろうかと刀を振ったが…… 。






猿飛佐助
ちょ…っ、暴力反対!
随分見ない間に瞬発力上がったなー…。
あなた

佐助…?
こんな所で何やっているの?







猿飛佐助(さるとび さすけ)…私と同じ村の出身の忍で、昔よく遊んでいた覚えがある。









再会してとても嬉しいけど…なんで、いるの?





猿飛佐助
あー…ちょっと、旦那に頼まれてね。
奥州筆頭、伊達政宗の調査を…ね?
あなた

ふーん。
奥州ね、奥州…は?
え、ここ奥州?

猿飛佐助
うん、ずっとこの道を行くと奥州の旦那の城に着く。





待って、私の村は三河(現在の愛知)でここは奥州(現在の宮城)だから…。





あなた

え…?
こんな所まで来ちゃったの……?











私は思わずその場に座り込んでしまった。














帰り方も分からず途方に暮れていると佐助から救いの言葉が降り掛かってきた。










猿飛佐助
もし良かったら一緒に奥州の旦那の偵察するか?
ついでに、もし良かったら…真田の旦那の忍として一緒に来るか?
あなた

え、いいの…?







私にチャンスが降り掛かってきた。










これはもう一緒に行く以外に選択肢はない。






あなた

じゃあ、一緒に行っても…いい?

猿飛佐助
もちろん、ちゃんとついて来れたらね?














そう悪戯っぽく言って、他の木に素早く移動する佐助。










私は置いていかれない様にしっかりと後について行った。


















~キャラクター メモ~

・猿飛佐助(さるとび さすけ)
→あなたと同じ村の出身
→あなたの事を妹の様に接してくれる優しい忍。
→真田幸村と武田信玄の所の忍として仕えている。

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