第14話

フシンシャ
4,281
2017/11/13 10:06
オヤツを食べながら、雑談タイムにはいった。
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
冬馬くんって、好きな人いたことある?
冬馬(トウマ)
冬馬(トウマ)
ん~。今もいるかな?
桃(モモ)
えっ?すごいね!
なんか、以外。まぁでも、好きな人くらいいるよね!
桃(モモ)
じゃあ、誰?
冬馬(トウマ)
冬馬(トウマ)
ふふ、それは、な、い、しょ!
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
あ~、乃愛分かったかも!
桃(モモ)
えっ?ヒントもないのに!?
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
はぁ。この話やめようぜ。
ん?何不機嫌になってるの?

まぁいいや、無視しよう。
桃(モモ)
で、乃愛の予想は誰なの?
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
それは、また林間学校終わったときの勉強会でいう!
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
またやんのか?
冬馬(トウマ)
冬馬(トウマ)
今度は俺の家にする?
桃(モモ)
いいねぇ~!
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
もうそろそろ勉強しようぜ
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
うん、するかぁ。話はまた今度ね!
陸斗、何で不機嫌なの?冬馬くんのこと、実は嫌いだったりして…。不思議だったけど、聞くのはやめた。

幼なじみっていってるし、私が首を突っ込むものではないって思ったから。
~6時半~
桃(モモ)
えっ?もうこんな時間??
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
じゃあ、今日はここまでにしよう!
桃(モモ)
じゃあ、帰るね。
冬馬(トウマ)
冬馬(トウマ)
じゃあ、俺も帰るよ。
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
バイバイ~
陸斗の家からは歩いて帰れる。
せいぜい30分程度。

15分位歩いたときのことだった。
桃(モモ)
あれ?スマホがない!
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
陸斗くんの家に置いてきた?
どうしよう!とりに戻るべきか、帰るか。
とりに…戻りたいな。
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
とりに戻りたいんでしょ?行く?
桃(モモ)
うん、ありがとう。
プルルルルル…プルルルル…
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
ごめん、ちょっと出るね
お母さんかららしい。電話が終わると、乃愛は走って私のところにきた。
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
ごめん、今から出掛けるって。ここにくるんだけど、待つ?
桃(モモ)
ううん、大丈夫!出掛けるんだし、一人でいくよ。
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
でもここら辺、不審者出るって…。
桃(モモ)
走って行くし、大丈夫だよ!
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
ごめんね…。
桃(モモ)
じゃあ、バイバイ!
乃愛(ノア)
乃愛(ノア)
うん、バイバイ
そういって、走って坂をのぼっていく。
空は薄暗くなってきてるし、不審者は怖いし。けど、乃愛を引きとめるのはさすがに迷惑だ。
乃愛が見えなくなったとこらへんで歩き始めた。

はぁ、疲れた。道、あってるよね?行きは昼で明るかったけど、今は夜。薄暗くてあまりしっかりと見ることが出来ない。


「んぐっ!!」


手をはなしてくれたのは、数分後だった。
桃(モモ)
ちょ、ちょっと何するの!?
見ると、そこにいるのは、若い男二人。
こちらを見てニヤニヤしている。
ねぇ、君高校生?
桃(モモ)
そうですけど
どうしたの?道迷った?
桃(モモ)
ちがいます。
あきらかにこの人たちは怪しい。

正直怖いけど、冷静でいないと!!
不振がっていることがバレないように、極力普通にしているように見せかけることにした。
自分の家にいくの?
桃(モモ)
いえ、友達の家です。
じゃあ、送っててやるよ。
桃(モモ)
大丈夫です。
そんな遠慮しなくていいよ!
桃(モモ)
本当に大丈夫です
そういって、その場から走り去ろうとしたときだった。
あーあ、おとなしくしとけば良かったのにね
桃(モモ)
いや、はなして!
いいねぇーそのわめき声
私は男たちに体を捕まれ、車の中へと入れられそうになってしまっている。

力が強くて、抵抗できない。あらゆる手段を使うけど、逆効果になってしまった。
大人しくしとけ!
背中を蹴られ、中へと入れられそうになった、そのときだった。
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
俺の彼女はなしてくんない?
えっ、?
桃(モモ)
り、陸斗??
あ?お前けんかうってんのか?
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
あぁ。もう警察に連絡したけど。もうじきくるんじゃね?
やべーな。撤収だ!
男たちは、車にのって、さっそうと逃げていった。
桃(モモ)
あ、ありがとう。
また助けられてしまった。
いじめられそうになったとき、そして今回。
桃(モモ)
でも何で私の場所が分かったの?
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
笹山から、連絡きたんだよ。俺の家に桃がスマホ忘れたって。
桃(モモ)
もしかして、私のこと探し回ってくれてた?
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
あぁ。まぁな。
ちょっと!そんな少し照れた顔しないでよ!反則だよ!
桃(モモ)
ありがとう。
また照れた顔をする。
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
はい、これ。
桃(モモ)
あっ、スマホ!
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
はぁ。桃が無事で良かった。
えっ、今なんて?ボソッと呟いた言葉をガッツリと聞いてしまった。

瞬間、自分の顔がにやけてしまったのがわかる。ヤバい。なんでだろう。こんなドS男に、ドキドキしてしまっている自分がいる。
桃(モモ)
あれ?でもそういえば、警察は大丈夫なの?
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
そんなの、ウソに決まってんじゃん
桃(モモ)
えっ?
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
お前信じてたの?アホすぎw
桃(モモ)
わ、わかってました~!確認のためです~だ!
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
ふっ!まぁ、よく頑張って反抗したね!
鼻で笑わないでよ!でも、頭をポンポンとされて、嬉しくなってしまう。
王子スマイルなのかもしれないけど、胸の鼓動が速くなってしまっている。

ドS王子が、照れた顔を見せたこと。なんか、嬉しくなってきて。
桃(モモ)
ふふふっ!
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
何笑ってんだよ!
なーんて、こんな風に言い合っている時間が楽しい。
あれ?なんでだろう。こいつのことは嫌いなはずなのになぁ。

助けてもらったときだけ、いい人って思っちゃうらしい。あーあ、私って単純。

そういえば、このあとどうしよう~…。
すっかり忘れてた。

するとすごい良いタイミングで電話がきた。
桃(モモ)
もしもし?
今から、駅まで迎えに行ってあげるから、待っててね。
桃(モモ)
はーい
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
お前もう帰るか?
桃(モモ)
うん。じゃあね!
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
待てよ!
桃(モモ)
えっ?
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
さっきのことがあったのに、お前一人で行かせるかよ。
桃(モモ)
でも、帰り道危険じゃない?
陸斗(リクト)
陸斗(リクト)
俺男だよ?
桃(モモ)
んー、じゃあ、お願いしちゃうね!
そこから駅まで、喋っていった。
さっきまでのドキドキはどこへ行ったのやら。喋るだけでむかつく。  
………でも、やっぱり楽しい。

私どうしちゃったのかな?

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