冬馬くんは、やっぱり優しいなぁ。
けど…
前、勉強会の時に見たあの冬馬くんはなんだったんだろう。
やった!みんなやる気になってくれた!
よーし!燃えてきたぞ~!
開始同時に私たちは走り出した。
第1ポイントは、川の向こうとかいてある。
おっ?ホントに陸斗もやる気じゃないですか?!
ちょっと嬉しい。
おお。なるほど、岩を通っていくのか!
あれ?でも、岩と岩の幅が広い…。
運動神経の良い乃愛は楽々と渡った。
もちろんのこと、陸斗も楽々わったた。
最後に私…。
どうしよう。いざわたるとすると怖い。
一歩岩を渡る。飛び越えて、もう一歩なんとかわたれた。
でも最後…。さっきよりも1段と幅が広い。
私は、陸斗の言う通り手を差し出した。すると…
私を引っ張った手はそのまま、体を持ち上げた。
フワッと浮いた後、すぐに地上に降りる。
私のせいで濡れちゃった。
もう!
冬馬くんも乃愛も分かってるくせに!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!