えっ?今、佐奈ちゃんなんて言った?
肝試し…?
人が作ったやつだろうし、大丈夫だとは思うけど…
そ、そんな!
クラスの人か…。
知ってる人と当たれたらいいんだけど…。
[30分後]
わぁぁぁ!っと、みんなの歓声が聞こえる。
ん?カップル大会?
女子たちの話を聞くと、この肝試しで、
毎年大勢のカップルが出来るのだとか。
へぇ。すごいなぁ。
そんなことがあるんだぁ。
まぁ、私はそんな話無縁だな。
うそカノやってるし。
ここで、私はあることに気がついた。
もしかして、二人一組って、男女のペア??
えっ、まさかの。
あんまり男子と喋らないから、せめて女子が
良かったのに。
自分のひく番になり、番号を見る。
はぁ。誰となのかな?
いいなぁ。友達となれて。
私のペア、まだ見つからないし。
いっそ、この肝試し、抜け出しちゃおうかな?
私いなくても、誰も気づかないでしょ、
なぜか陸斗に手を引っ張られ、実行委員の
人たちの前へ行った。
「では、楽しい時間を~!」
そう言われ、よくわからないまま
肝試しが始まった。
私はよくわからず、首をかしげる。
少し怒りぎみだ。不機嫌にさせちゃったよね。
あれ?怒ってない?
少し嬉しくて、私は喋りだした。
かっとなり、私は思いきって言った。
こんなに怒鳴ったのいつぶりだろう。
そのあとは、二人とも一切しゃべることなく、
肝試しを全く楽しめなかった。
最悪な肝試しだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。