何で私、昨日"分かった"とか返事しちゃったんだろう。
昨日の冬馬くんの声がよみがえってくる。
今は10時。
丘の上公園までは、徒歩10分ほどにある。
今さらドタキャンなんてできないし。
そうとなったら、急いで準備しなきゃ!!
そうだよ、デートなのかもしれないけど、今日は今日で楽しめば良いじゃん!
冬馬くんには失礼な考え方かもしれないけど、そう考えないと今日遊ぶ勇気が出なかった。
(PM;1時)
ここら辺の近くに立ち並ぶお店は、落ち着いた雰囲気のところばかりで、居ててあきない。
見た目は普通の家だけど、オシャレな雰囲気がある。
お店だよね?多分…
中にはいってみると、少し人がいて、おもったとおり、お店のようだ。
メニューを見てビックリした。
なぜびっくりしたのか。
それは…
そう。私はお菓子の中では一番と言ってもいいほど、抹茶系の甘いものが大好きなの!
でも、私冬馬くんにそんな話したかな?
気づいてなかった。
美味しすぎてそんなに食べてたこと。
冬馬くんの少し照れた顔。
ふふっ。可愛い…
同じ好みの人がいるってなんか良いな~
どれも美味しそうでスゴく迷ったけど、パンケーキは、食べたことがなかったから。
たのんだものが届くまでの間、冬馬くんがある提案をした。
その提案とはシェアをしようというものだった。
お皿を持ってきてもらって食べることも可能だったけど、パフェは難しいね。
ということで、とりあえず自分のたのんだものを半分食べることになった。
二人ともあっという間に食べ終わり交換することになった。
あっ、"僕"って自分のこと言った。
大丈夫なわけないよね。
って思ったけど、冬馬くんはもうパンケーキを食べていた。
女子同士なら、全く気にしないのに…
な、なんかね。
気にしない、気にしない。
そう思いながらパクっと食べた。
食べた瞬間そんなことどうでも良くなって、私は黙々と食べた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。