ホームルーム終了。
次々と皆が帰っていく。
ドキッ!!!
日向という名前を聞いただけでドキッとする。
高田 宇宙(たかだ そら)。
高田くんは、高杉くんの親友で毎日一緒に登下校してるらしい。
高田くんもイケメンの部類に入ると思う。
高杉くんには負けるけどね。
二人が並ぶと花だ.。
イケメンにはイケメンが近寄るのか…
…まぶしい。
高田くんはそう言い、走り去っていった。
…にしても…ばかって、高杉君にむかってばかって
…今、ひょっとして…
嘘みたい…私、今高杉くんと喋ってるよ。
口パクじゃない、ちゃんと目の前で喋ってるよ…!?
自分の頬をパチッと少し強めに叩いてみたけど、
す、好きって、あれだよね?
恋愛じゃなくて、…
まただ。
また、当てられた。
私の考えてること、全部わかってしまうんだ。
そんなこと言われたら…
変に勘違いしてしまうよ…。
私だって、そこら辺にいる女子と変わらない。
そんなキュンってくる言葉言われたら…
どうなることやら。耐えられない…。
だとしたら、悪魔だ。
そんなカッコイイ顔して、
こんなキュン言葉がさっと出てくるんだもん。
一撃だよ、女子。
頭をフル回転させても、
私の頭じゃどうやら答えは出てこないみたい。
だって、あの学園の王子様が私と喋りたいだなんてそんな…。
今度は何を言い出すのやら…。
ヒヤヒヤヒヤヒヤ…、
そんなことってありですか?
神様、私は夢を見ているのでしょうか。
それとも、騙されてるのでしょうか?
高杉くんの気持ちがわかりません、私。
あなたは何を考えているのですか?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!