第5話

シンクロ
207
2017/12/05 07:40
先生
起立!気をつけ!礼!
クラスメイト
さよーならー
ホームルーム終了。

次々と皆が帰っていく。
高田 宇宙
日向!帰ろうぜー
ドキッ!!!

日向という名前を聞いただけでドキッとする。
高田 宇宙(たかだ そら)。
高田くんは、高杉くんの親友で毎日一緒に登下校してるらしい。


高田くんもイケメンの部類に入ると思う。
高杉くんには負けるけどね。
二人が並ぶと花だ.。
イケメンにはイケメンが近寄るのか…
…まぶしい。
高杉 日向
ぁあ、宇宙。
悪い、今日ちょっと用事があるから
先帰ってて。
高田 宇宙
はぁ?用事?
お前に用事なんてあんのか?(笑)
高杉 日向
失礼だな。たまにはあるよ
高田 宇宙
ふーん。まぁいいや。りょーかいしましたよー。
俺はボッチで寂しく帰りますよーだ
高杉 日向
おいおい。ちっちゃい子供じゃあるまいし
そんなこと言うなよ(笑)
高田 宇宙
アハハ!冗談だよ冗談。
ほんっとお前は冗談通じない面白くない男だなぁ!
もっと面白くなれ!ばか!
じゃーなー!!
高田くんはそう言い、走り去っていった。

…にしても…ばかって、高杉君にむかってばかって
高杉 日向 & 高橋 千晃
そっちがじゃん……
高杉 日向 & 高橋 千晃
ええ??
…今、ひょっとして…
高橋 千晃
し、シンクロ?!
高杉 日向
そう、みたいだね(笑)
高橋 千晃
き、気が合うね!?
高杉 日向
うん(笑)
俺もそう思う
嘘みたい…私、今高杉くんと喋ってるよ。
口パクじゃない、ちゃんと目の前で喋ってるよ…!?
高橋 千晃
(こ、これは、夢??)
自分の頬をパチッと少し強めに叩いてみたけど、
高橋 千晃
い、痛い…
高杉 日向
バカなの?(笑)
夢なわけないでしょ(笑)
高橋 千晃
え、私、口に出てた?
高杉 日向
ううん。そうじゃなくて。
顔に出てた(笑)
わかりやすすぎ
高橋 千晃
そ、そんな…。
高杉 日向
まぁ。そこが高橋さんの良いところなんじゃないかな?
俺は高橋さんのそーゆーとこ、好きだよ
高橋 千晃
へ!?好き!?
す、好きって、あれだよね?
恋愛じゃなくて、…
高杉 日向
れ、恋愛じゃなくって!!
高橋 千晃
そ、そうだよね!?
うんうん!わかってるよ!
高杉 日向
俺、そんなキザなセリフ、言えないし(笑)
高橋 千晃
??今言ったじゃん
高杉 日向
違う、そーじゃなくて。
恋愛感情の好き、はそんな簡単に言えないって意味。
高橋 千晃
ええ?そうなの?
高橋 千晃
(そーゆーの、なれてるもんだと思ってたのに。
意外だ…。)
高杉 日向
何、なれてるとでも思ってたの?(笑)
まただ。
また、当てられた。
私の考えてること、全部わかってしまうんだ。
高橋 千晃
どうして、わかるの??
そんな顔出てる??
高杉 日向
んんんーなんとなく?
多分だけど、高橋さんのことは分かるよ
そんなこと言われたら…
変に勘違いしてしまうよ…。
私だって、そこら辺にいる女子と変わらない。
そんなキュンってくる言葉言われたら…
どうなることやら。耐えられない…。
高橋 千晃
高杉くんってもしかして…。天然??
だとしたら、悪魔だ。
そんなカッコイイ顔して、
こんなキュン言葉がさっと出てくるんだもん。
一撃だよ、女子。
高杉 日向
天然?よくわかんないや(笑)
宇宙とか、友達にはたまに言われるかも
高橋 千晃
そ、そうなんだ…。
あれ。ていうか、高杉くん、何か用事があったんだよね?
行かなくて大丈夫なの?
高杉 日向
ん?あーあれは、もう大丈夫だよ。
用事は終わったからね
高橋 千晃
へ?終わったってなにー?
今までずっと私と喋ってただけだったじゃん
高杉 日向
うん。だからそれが用事だったの
高橋 千晃
??????
頭をフル回転させても、
私の頭じゃどうやら答えは出てこないみたい。
高杉 日向
はぁ…。だから…。
俺は高橋さんと喋りたかったわけ。
それが用事。わかった?
高橋 千晃
ええええー!!!??
高杉 日向
うるさー!!
高橋 千晃
ご、ごめんごめん(笑)
ちょ、ビックリしすぎてねー
だって、あの学園の王子様が私と喋りたいだなんてそんな…。
高橋 千晃
(はっ、私、騙されてる??!
遊ばれてるのかも!?)
高杉 日向
あ、用事もう1つできちゃったー
高橋 千晃
な、なんでしょうか
今度は何を言い出すのやら…。
ヒヤヒヤヒヤヒヤ…、
高杉 日向
一緒に帰ろう!
高橋さん、帰り道途中まで一緒だし
高橋 千晃
はぇー!!!!!!!?
そんなことってありですか?
神様、私は夢を見ているのでしょうか。
それとも、騙されてるのでしょうか?

高杉くんの気持ちがわかりません、私。
あなたは何を考えているのですか?

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