第7話

席替え
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2017/12/05 07:44
クラスメイト
おはよー
学校の門をくぐると、皆が楽しそうに笑いながら歩いてる。
正直、羨ましい。
あんなふうに何も考えずに、楽しく過ごせたら
どれだけ幸せなのか。
けど、私に話しかけてくれる人なんていない。
むしろ避けられてばかり。
理由はよくわかんない。
けど、ありもしない噂が出回ってるらしい。
"友達の恋人を奪う"
"男好き"
"嘘つき" など。
私、友達の好きな人、奪ったことないし。
ていうか、彼氏できたことすらないのに…。
噂って結構ひろまるし、皆信じちゃうから。
私が何を言ったって信じてもらえるわけがないんだ。
クラスメイト
そういえば今日席がえだねー!!、
近くしよー♪
あぁ。そういえば今日は朝から席替えだった。
私には関係ないか。
ただ、この席お気に入りだったからかなり残念。
席替えなんて、いらないのに。
どうせ、席替えするとき、皆して私の隣は避けるんだから。
先生
おーいみんな、席つけよー
待ちに待った席替えするぞ!!
高橋 千晃
(いや、待ってないし!
ちょっとは私の気持ちだって考えてよ!)
先生だって絶対知ってる。
結構大きな声で陰口言われてるし
何をするにも皆の前に立つと笑われるし。
知らないはずないでしょ。
先生なんていらない。
先生って相談のってくれたりするんじゃないの?
なのに、知らんぷりして…

私、先生にもいじめられてる。
クラスメイト
どこ座るー??!
みんな自由席だから友達同士で近い席にどんどん座っていく。
私は残った席でいい。
クラスメイト
うっわ、高田ドンマイじゃん!
かっわいそー!!
高橋 千晃
(聞こえてますよー。
陰口言うなら、もっと小さめにしよーよー)
残ってる席は、高田くんの隣の席しかない。
高田くんの隣には私が座るしかない。
私が座ろうとしたら、
皆がうわーって声を出してくる。
私が関係なしに座ると、
みーんなこっちを見てヒソヒソ話してる。
何が面白いんかな。
私はできるだけ
聞こえない、平気なフリをする。
もうこーゆー陰口にはなれた。
でも、そう思っててもやっぱり多少、傷つく。
高橋 千晃
(はぁ。できるもんなら遠くに転校したい)
高杉 日向
高田、お前そこの席じゃなきゃダメなの?
高田 宇宙
え?いや、全然?
ただ、
動きたくなかったからここ座ってただけ。
そういえば、高田くんは前もこの席だった。
高田くん、動きたくないってどんだけ面倒臭がりやなの!?
高杉 日向
あのさ。
お前目、いいじゃん?
俺目悪いんだよ、だから席かわってくんない?
こっからじゃぜんっぜん字が見えん
高田 宇宙
おお、全然いい!
むしろそうしてくれ!!
高杉くんはサンキュー、と言い、
高田くんと席を交代した。
高杉 日向
てことで。
宜しくね、ちーちゃん♪
私は軽く会釈をかえした。
学校内ではなるべく目立ちたくないから
ちーちゃん、なんて呼ばないでほしい。
もしみんなに聞かれでもしたら…
考えただけでもぞっとする。
高橋 千晃
(ひなくんは、私の隣、嫌じゃないんだろうか。
皆は嫌がってたのに、ひなくんは自分から…
いやいや。ひなくんは目が見えないからって言ってたから
きっとそれだけ)
なんで…どうして私はこんなにも、
ひなくんの行動ひとつひとつ、一喜一憂してしまうんだろうか。

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