お昼休み。
お弁当を食べながら美幸が私を見て呆れている。
その隣で愛は爆笑していた。
私は真剣に悩んでるのに…。
この二人は…!!
修学旅行のグループで一緒になってから、
二人とは常に一緒に過ごすようになった。
意外にも趣味とか好きなものが合って、
共感しあったり…。
あれから、私も二人のことを
"美幸" "愛"って呼び捨てで呼ぶようになった。
二人は勝手に盛り上がっている。
私は一人、呆然とした。
…その時。
後ろから突然現れた手が、ぎゅっと私を抱き締めた。
きっと今
私の顔は、まっかっかになっているだろう。
宇宙くんは私を見て笑いながら、
じゃあなと手をふった。
宇宙くんは、他クラスの男子たちに呼ばれて教室を出て行ってしまった。
…これから、体育館でバスケをするのかなぁ。
部活もバスケ部で、毎日こんなバスケやってて飽きないのかなぁ。
運動神経が悪い私にはよくわからない。
…。ほんっとに勝手に変なこと言って私を、からかうのはやめていただきたいです。
宇宙くんはひなくんと並ぶレベルのイケメンだ。
ファンだってきっといっぱいいるだろう、
もし今の話を聞かれてたりでもしていたら…
恐ろしいことになりそうだから。
なるべくこーゆー話は避けたいんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。