夏も終わりに近づいているとはいえ、
秋みたいに寒い。
今日は待ちに待った修学旅行!
なんだけど…
ひなくんとも同じグループだということを
すっかり忘れいた。
しかも、バス席は隣。嫌でしかない。
でも、これはある意味チャンスかもしれない。
バスに乗ってる時間は長い。
隣同士なんだし、周りを気にせず話しかけられる!
あ、もうひとつ忘れてた…大事なこと
私、酔いやすいんだった…。
なのに、酔い止めを持ってくるのを忘れてしまった
バカ、私。
どうしようかなぁ。
確か、窓側の方が酔い安いんだよねぇ
でも今私は窓側に座っている。
隣に座っているひなくんは…耳にイヤホンをつけている。
音楽でも聴いているのかな。
話す気さらさらないって感じだな。
じーっと見つめていると、
気にさわったのかこちらを睨んでくる。
いざ話すとやっぱり緊張してしまって
かたことになる。
ダメじゃん!!
押しが強い女目指すって決めたのに!!
ひなくんは、大きく溜息をつくと黙って席を立ってどいてくれた。
もしかして…席交代してくれるのかな?
あ、思わず敬語になってしまった
ひなくんのちょっとした優しさに思わずキュンってなる。
一方、ひなくんは何事もなかったかのように
音楽を聴いている。
結局、バスに乗っている時間、
一言も喋らずで、目的地に着いてしまった。
ディズニーランドでは愛たちと、
アトラクションに乗ったり、お店をまわってみたりして
凄く楽しかった。今までで一番。
嫌なことも忘れられるくらい。
ひなくんとは、相変わらず。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。