第35話

キミの彼女
125
2017/11/02 10:31
ひなくんが目を覚ました後のこと……
高杉 日向
なんでっ…千晃が、ここに…?
高橋 千晃
ひなくんが…事故に遭ったってひなくんの妹…。
光里ちゃんに聞いて…来たの
高杉 日向
俺…、夢でも見てるのかなぁ、…。
千晃のこと、好きすぎて…
そう苦しそうに、でも笑顔で言うひなくん。
高橋 千晃
ひなくん、好きって…ほんとに?
ほんとに私のこと好きなの?
高杉 日向
ホント。千晃のこと、諦めようとしたけど
無理だった、…。
俺さ、ずっと千晃のこと好きだったよ
私の方が、夢を見てるんじゃないかと思う。
それくらい、私にとっては夢のような光景。
ずっと夢見てた、ひなくんと両思いになることを。
高橋 千晃
わ、私も…ひなくんのこと好きだよ…ずっと。
結局、私はあなたしか想えない…
高杉 日向
ホント?やばい…嬉しすぎて…
高橋 千晃
う、ん…私も……
高杉 日向
あーまた泣くー
千晃は泣き虫だなぁ(笑)
高橋 千晃
だって、ひなくんがそんなこと言うからぁ
高杉 日向
ごめんごめん(笑)
でも、泣くのはまだ早くいかなぁ、
ちゃんと付き合って、って言ってないのにぃ~
高橋 千晃
えっ?い、言ってくれるの?
そんなこと…
ひなくんに好きっていってもらえただけで嬉しくて泣いてしまったのに、
ひなくんの"彼女"にしてもらえるなんて…。
高杉 日向
……それは…
ひなくんが何かいいかけたその時…
ガチャッ……
病室の扉が開いた
??
ひなたぁぁ~~~♪
凄く可愛い女の人が勢いよく病室に入ってきた。
誰…?この人…。
お母さん…なわけないよね…?
??
あっ、日向、起きてたんだぁ!?
高杉 日向
うん、ごめん…心配かけた…
ひなくんは普通にその人と会話をしている。

誰だか知らない女の人に私は嫉妬してしまう。
だって、さっきからこの人…
ひなくんの体ばっかり触ってるんだもん!
さすがにイライラしちゃう…。
それに、びっくりするほど可愛い。
ひなくんと…悔しいけど、お似合い。
…ハーフなのかなぁ。
髪の毛は綺麗な栗色でふわっふわで
"マシュマロ"みたいなほわーんとした女の人。
私みたいに"ちんちくりん"なんかじゃなくて、
スタイル抜群だし…。

ひなくんの好きなタイプ、そのもの…。
??
あれぇ~?あ、いたんですね?ごめんなさぁい~
私、花音(かのん)って言います~♪
あなたたちは??
この人、花音ちゃんっていうんだ。
外見にピッタリの凄く可愛い名前…。

花音ちゃんは私たちに興味津々なようだ。

今まで一言も発することなかった愛と美幸が私の前に出た。
二人揃っていきなり、どうしたんだろうか。
柏木 美幸
私は美幸
田中 愛
私は愛…だけど
何か気にくわないんだろうか、
美幸と愛はムッとした表情で答えた。
花音
へぇ~。愛さんと美幸さんかぁ…!
で?あなたは??
高橋 千晃
…え、私?私は…千晃、です
花音ちゃんの瞳…綺麗だと思うけど
なぜか私には怖く感じる。なんでだろう。
花音
千晃さん…?
千晃さんってもしかして、
日向が高校生の時に
仲良しだった女~?
高橋 千晃
……そう、だけど
突然の花音ちゃんの発言に驚きを隠せない。
なんで、私のこと知ってるんだろう
花音
日向のこと、好きだったんですよねぇ?
…ぷ。そのレベルで日向に告白したんですかぁ?
千晃さん、やばーっ!
高杉 日向
花音!!
花音
だってホントだもーん♪
でも残念でしたぁ!
日向にはもう既に可愛い花音という彼女がいるんで、
無理ですよぉ~♪
花音ちゃんはそう言いながら、
ひなくんにガバッと抱きついた。
彼女…?
彼女、いたんだ。
しかも、こんな可愛い彼女が…。
なのに、何でさっき、"好き"なんて言ったの?
ひなくん…。
柏木 美幸
はぁ?!
あんたが彼女!?嘘じゃないの!?
田中 愛
嘘!嘘!!
だって日向には…ち…
愛は私の顔を見て、しまった、という顔をして
黙ってしまった。

二人とも、さっきのひなくんと私の話を聞いていたから
おかしいと思ったんだろう。
花音
えぇホントだよぉ~?
ね~日向♪
高杉 日向
…あぁ
ひなくんは面倒くさそうに言ったけど、
否定はしなかった。
ホントに、花音ちゃんが彼女なんだ…
そっか、そうだよね。
ひなくん、カッコイイし、
花音ちゃん、可愛いし。
お似合いカップルって感じだし。
二人は付き合ってる。
理解しようとするけど、ダメだ。
何か、体の奥から込み上げてくる。

ひなくんの隣で笑う花音ちゃん。
べたべたくっつく花音ちゃんに
時々面倒くさそうにするけど
しょうがないなーといった感じに
微笑んでいるひなくん。

私が入る隙間なんてないんだ…と、
見せつけられた気がした…。

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