第49話

*番外編* 日向side
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2017/11/09 10:15
入学式。
初めて君に出会って君に興味がわいた。

そんな君と同じクラスになって君は俺の斜め後ろの席だった。最初はただ興味本位で近づいただけだったのに…


皆が嫌がる事を率先してやっている所。
宿題や授業は真面目に取り組んでいる所。
ノートに取る字が綺麗な所。
クラスメイトが面白いことを言えば、
クスクスと笑っている所。
悪口を言われても何も言い返さず我慢している所。
走り方、手のあげ方、話し方、少し強がりな所…
君の全てにいつの間にか夢中になっていた。



俺にとって初恋だった。
初めてこんなに人のことをもっと知りたいと思った。
初めて離したくないと思えた女だった。


君と過ごした日々は、
俺にとっての思い出であり宝物。

一緒にはなれなかったけど、
君と出会えて良かった、と…そう心から思える。


今はもう会えない…けど、
この空の下、君も生きているのだと思うとまた今日も頑張れる。


千晃のことを思いながら空を見上げていると…
千夏
ぱぱ~なにしてるの?
高杉 日向
おそらをみてたんだよ
ほら、あそこ。おつきさまがみえる
俺がそう言い指差すと、
バッと振り返り月を見る…
俺と花音の間に産まれた子供。
名前は千夏(ちなつ)。
千夏ももう5歳。

千晃とさよならをしてからもう5年の月日が流れた…
あれから5年も経つのか…と思うと時の流れは早いものだと感じる。
あれから1度も俺は泣かなかった。
千晃と約束したから…
幸せになる、と。笑顔でいる、と。

でもなぜだろう。
こんな月が綺麗な日には君を思い出してしまう。


ねぇ千晃…。
千晃と離れてからもう5年も経つんだね。早いね。
俺の子供、千夏っていうんだ。
千夏って名前は俺がつけた。
千晃の千を貰ってつけた名前。
俺の1番はいつだって千晃だったから。
1番の名前をこの子にもつけてあげたいって思ったから。運よく、花音は千晃の漢字は知らなかったから。

千晃は今ちゃんと幸せになれてますか?
元気にしていますか?あの俺が好きだった笑顔で…

今日は七夕。
願いが叶う日だ!と千夏は願い事を短冊に書いていた。

もし、願いが叶うなら…
もう1度、千晃に会いたいな。
会って色んなことを話したい。
千夏のことだって紹介してやりたい。
きっと子供好きの千晃だから可愛い可愛いうるさいんだろうな。

千晃のことを想う度、胸が苦しくなる。
千晃…いつか本当に会えたらいいな。
その時には思い出にできてるかな?

千晃…ありがとう。





*番外編*END

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