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『ふぅーっ、』
部屋につき慌てて深呼吸。
あんなに顔近くされたらそりゃびっくりするでしょ、
制服のままベッドに寝転ぶと、
いつのまにか眠っていた。
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「〜い、おーい、あなたちゃん。」
『んー...っ、なーに?』
まだ瞼が重くて近くにあった枕に抱きついた
...つもり。
「あなたちゃーん?」
『...もうだからなに!?え、』
瞼をパッてあけると、玉森がいた。
それで、私の頬に玉森の手があった。
『ちょ!なんで部屋に入ってんの!?変態!!』
「あなたちゃんのお母さんにカバン持ってくように頼まれたんだって!」
『えええええ、せめてノックして!』
「あ、それは忘れてた」
どんだけデリカシーのない奴なの...
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!