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「ほらほら食べればー?」
私のお箸でピーマンをつまんで口に近付けてくる。
簡単に言うとあ~ん状態。
『食べたからもういい!』
「だめー、最後までちゃんと食べろ。」
『一旦置いて!心の準備するから...んぐっ。』
一瞬の隙にピーマンを食べさせられた。
「あなたちゃんママー、食べたよー」
母『やーだありがとう裕太君!』
ニコニコしてる母と玉森と違ってふくれっ面な私。
強引だな、ほんとに。
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それから30分後
「うし、それじゃあ、お邪魔しました」
玉森が家に帰る時間になり玄関に見送り。
母『またきてねー!』
『一生来なくていいからー!』
「またお邪魔しますね~」
最後にチラッと目を合わせて帰っていった。
なぜだかわからないけど、
少しだけ寂しくなった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!