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「よし、休憩しよー」
『やった!』
木陰に座って息を整える。
あぐらかいて隣に座る玉森が水を飲んでて無性に恥ずかしくなって下を向いた。
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「...ちょっとごめん。」
何故かひやりとした玉森の手のひらが自分のおでこにくっつけられていた。
え!?なにこれ!?
「熱?それか熱中症?」
『え?!』
「んー?いや顔赤いからどうしたのかと思って。」
『そう?』
そんなの玉森見てたらって...言えるわけないじゃん。
熱い顔を冷ますように水を喉に流し込んだ。
「暑いね。」
『うん』
「...あ、そうだ。
今携帯もってる?」
『うん。あるけど。』
「前から言おうと思ってたんだけどLINE交換しない?」
『別にいいけど...』
そしてLINEを交換した。
友達欄には玉森が入っていて変な感じがした。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!