どうやって話を切り出そう。
引越しの話を直球でぶちこむ?
それとも遠まわしにする?
それとも言わないでおく?
この三択しかない。
するとあっという間に家の近くまで来てしまって虚無感と寂しさがドッときた。
『玉森、』
「ん?」
『最後に寄り道でもしよ?』
選択肢にはない延長戦を申し込んだ。
でも断られたらどうしよう...
「え?」
『あ、もう、じゃあここでいい!』
目を瞑って下を向いて玉森の顔を見ないようにする。
『...色々とごめんね。
けど最後だしちゃんと言わないとって思って、』
「...え?ちょっと待って。死ぬの?」
『え?私?死なないよ?』
「じゃあなんで最後??」
二人目を合わせてはてなを浮かべた。
『...ん??え、引越しするんでしょ?』
「は!?!?!?
しないよ!?!?」
『...は、え!?』
どういうことかわかりません。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。