第12話

笑った理由
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2019/12/27 03:50
入学して二日目、早くも私は部活に入った。というか、マネージャーになったのだ。

――『女子』テニス部の。

「あなたちゃん、なんか遼介くんがすごい見てきてるけど……大丈夫なの?」

「あーほっといていいよ。あっちが勝手に勘違いしただけだし」

そう、私は確かにテニス部のマネージャーになることを承諾したが、『男子』テニス部のマネージャーになるとは一言も言っていない。あいつが勝手に自分の、男子テニス部の方だと思い込んだだけだ。

思わずふっと鼻で笑うと、由麻がまだ迷っているような苦笑を浮かべた。

あいつのことそんなに気にするんだ。いい人だな由麻。

「まぁ由麻たちは助かったよ!マネージャーみうちゃんしかいなかったから!」

テニスウェアを着た由麻が明るく笑う。

彼女はマネージャーではなく選手で、素人目にも上手いのが分かるほどだった。

「ならよかった。私は何すればいい?」

「んー……ごめん、みうちゃんに聞いてもらっていい?由麻わかんない」

「わかった」

私はコートの外に立つみうに近付いた。

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