第19話

反応
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2017/11/10 12:46
「おい……何か」

私の顔を覗き込んだあいつが、なんで急に言葉を止めたのかなんて知らない。

――わけがわからないくらい頬が熱くて、私はそれどころじゃなかった。

「……さ」

「授業始まるよ!!早く教室戻れば!?」

机の上に腕を組んで突っ伏してそう叫ぶ。その後もしばらく近くにあいつの気配があったが、私が無言を決め込んでいたらいつしか消えてなくなった。

あいつにバレたか……?いやそんなことどうでもいい、だからさっさと収まれ心臓!!

「……あなたちゃん、もしかして……」

「照れてるの?」

「違う!!なんか知らないけど勝手になるの……!!」

ドックンドックンとありえない速度で鳴りまくる心臓を服の上から片手で押さえながら、由麻とみうに言い返す。

マジで、何これ……!?全ッ然遅くならないし!顔あっついし、体も暑い……何なの!?

「あなたちゃん。それはね、遼介くんにドキドキしてるってことだよ」

「……は?」

思わず机から顔を上げた。

「これから恋が始まるかもね?」

みうがニヤッと片側の口角を釣り上げる。

……ドキドキ?恋?私が?三上遼介に?

私は再び机に頭をぶつける勢いで突っ伏した。

「絶っっっ対嫌だ……!!好きになんかなりたくない、大ッ嫌いなのに!!」

「嫌いから始まる恋もありだと思うよあたしは」

「うん、遼介くん絶対あなたちゃんのこと好きだし。由麻もいいと思う」

「私がよくない。」

ミリどころか1ピコもよくない。いいなら二人が代わって。

まだ二人が何か言おうとしたところで、チャイムが鳴った。そこで話は終わった。

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