第26話

複雑に交差している
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2019/12/27 04:29
笑いが収まると無表情に戻り、返信した。
怒ってるよ。だから謝って、遼介
遼介
わかった
渋々しぶしぶじゃダメだよ?ちゃんとごめんなさいって思いながら謝らないと更に怒るよあなた
遼介
わかってる
その文を見た時、オレは気付いた。

遼介がなんとなく不機嫌だ。

理由はすぐに察しがついた。わかりやすい……と無表情で思った。

「……いい人なのにね」

“自信”は『自分』を守る最大のすべだ。遼介も、過去にいろいろ苦労してきた。

あなたも、イケメン絡みで何かあったみたいで。

……どうしてこう複雑になるのかな。

右手をグッドの形にして前に突き出している白猫のスタンプを押して、オレは背後のベッドに寄りかかった。

画面を落としたスマホが手の中でバイブした。
遼介
明日あいつに謝るから、部活終わったら俺の質問に答えろよ
「質問」の内容が簡単に想像できてしまったオレは、そのメッセージに笑い――静かに目を伏せた。

そして、親指だけを動かして返信を打った。
どうしようかなー
遼介
答えろ!絶対だ!
了解
それに対して、遼介からスタンプが送られてきた。

黒髪の男子が「それでいい」と上から目線に言っているスタンプだった。

去年、遼介の誕生日にオレがからかい半分、いや9割以上からかいでプレゼントした『りょうくんのスタンプ』である。

『りょうくん』が遼介とマッチしすぎているので使いやすいのだろう、よく使ってくれている。オレはプレゼントしてよかったな、と思った。

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初めての怜サイド。

ちょっとズレた思考を持つ怜なので、読者の方々からすると「ん?」と思うところもあるかもしれませんが、それが彼です。そういうことです。笑

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