第35話

もうすぐ
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2017/12/27 11:54
しばらく無言だった由麻が遠慮がちに口を開いた。

「えっと……それじゃああなたちゃんは、今は初崎くんのこと好きじゃないの?」

「そうだよ」

「ふぅん……そっか」

……嬉しそうだねぇ。

なんとなく微笑ましい気持ちになって由麻を眺める。

「あなたニヤニヤしてどうしたの?怖いよ?」

「せめてキモいと言ってほしかった」

笑っているのに怖いとは。そもそも笑い方の表現が“ニコニコ”じゃなく「ニヤニヤ」なのか。どんな顔してたんだろう私。

「そういえば、あと少しで文化祭だね」

由麻がニコッと笑って言った。

あ、ここはまだだったんだ、と思っていると、みうがこちらに顔を向けてきた。

「いつからだっけ?」

「私転校生」

私が聞きたいです。

「11月の初めだよ。もうすぐ係決めとか出し物決めとか始まるんじゃないかな」

「文化祭か……今年二回目だ」

「えっ、なんで!?あ、前の学校は5月とかだったのか!何それ転校生いーな!!」

「……そうでもないよ」

文化祭がなければ、出会うこともなかったかもしれないから。

少し声のトーンが暗くなってしまい、二人から不思議そうな顔をされた。

だが何も聞いてはこなかった。その優しさに、口には出さず感謝した。

「『告白大会』楽しみだなぁ」

「『告白大会』?」

由麻に聞き返せば、みうが説明してくれた。

「文字通り、告白する大会だよ。って言っても全部が全部恋愛の告白じゃなくて、実は〇〇しました!みたいなぶっちゃけもあるの。というかほぼそれって聞いた」

「なるほど……まぁ全校生徒の前で告白する勇者はいないよねこの時代。LIME告白って言葉があるくらいだし」

「でもさ、全校生徒の前で告白されるの、いいよね!“俺のだ!”って主張されたりしてみたい」

「「…………へぇ」」

由麻ってそうなんだ……と思いながら見る(多分みうも同じ気持ち)と、私達の空気に気付いた由麻が「えっ!?」と戸惑いの混じった驚きの声を上げた。

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