前の話
一覧へ
次の話

第1話

1
52,890
2017/10/27 12:00


ーー


「無理やりされるのと、素直に受け入れるのと、
どっちがいい?」

「え、」

「抵抗する? それとも……いっしょに楽しむ?」

「……ッッ」

ーー夢じゃない。


これは、現実。


ーー


ある日のことだった。
エレベーターに閉じ込められた。
乗っていたのはわたしと、若い男ふたり。

突然止まったエレベーターは一向に動かない。

「ぅそ……なんで?」

わたしは必死に緊急ボタンを押す。
けれど、うんともすんとも言わない。
辛うじて小さな予備のランプだけが、ボンヤリとエレベーター内を照らしていた。

男ふたりの話し声が聞こえてくる。


「ヤバくねぇか? ここ、明日まで、誰もこねぇぜ?」

「だよな。電波もとどかねぇし……待つしかねぇよ」

彼らの言う通りだった。
朝が来るまで待つしかないのかもしれない。
時刻は深夜一時。
店長に戸締りしておきます、なんて言わなきゃよかった。
わたしは小さく息を吐いた。

「ねぇ、きみ」

「え、」

顔を上げた。
ふたりと目が合う。

「名前教えてよ」

「ぁ、はい。工藤弥生……です」

「何歳?」

「に、二十一……ですけど」

「ふーん」

二人はコソコソとなにか話した。そして、またわたしを見た。

「あのさ、きみさ。可愛いよね」

「は?」

「結構モテたりしない? 男から」

「なにを……」

「無理やりされるのと、素直に受け入れるのと、どっちがいい?」

意味がわからなかった。

「え、」

「抵抗する? それとも……いっしょに楽しむ?」

「……ッッ」



ーー夢じゃない。

これは、現実。


ーー

ーーー


「ン……ッ、や、……ッッ、」

「抵抗したら痛いぜ?」

「……ッ、…………ん」

「そうそう。それでいい。ボタン外すからな……」

「……ッ」

「お、レースの下着。すげぇ……見ろよ」

「ほんとだ。ヤベェ、興奮してきた」

「……ッ、やだ……ッ」

「抵抗すんなって」

やだ。やだ……だれか……。



ーー

居酒屋でバイトを始めたとき、先輩から聞いたことがあった。

「ここのエレベーター乗るとき、気をつけた方がいいよ。遠隔操作できるらしくて、わざと中に閉じこめて変なことするらしいから。だから、一人では乗らないようにね」

ただのうわさ話中だと思っていた。

ーー

「ん、ぁ……ッ……、ん……」

「そっち押さえてろよ」

「おっけー」


座ったままの状態で、両腕の自由を奪われた。ワイシャツのボタンはすべてはずされ、レースのブラが露わになる。
それを男がゆっくりと上げていく。わたしは目をぎゅっと閉じた。

この男たちが、わざとエレベーターを止めた? ビルに誰もいなくなる時間を見計らって? そんな、まさか。

仮にそうだとしても、今のわたしになす術なんてない。

二対一。

しかも、男と女。

勝てるわけないーー

必死に身体をこわばらせる。

ブラがズラされていく。

わたしの胸に視線が集まる。

「ン……ッ」

「すげぇ。細ぇのに胸は結構でかい」

「触らないで……」

「その顔いい。ほら、乳首触るよ、いい?」

「やめ、……ッん、……ッ」

「おお、柔ぇ、めちゃくちゃ柔けぇ」

男がわたしの胸をゆっくりゆっくりと揉んでいる。乳首を摘んだり、全体を包み込むようにして揉んだり、わたしは、されるがままだった。

気持ちいいわけではなかった。それでも、感じてしまうのは、女の本能だろうか。わたしは声を出してしまう。

「や、めて……ッ、ん、……ッ……」

男二人から、胸を執拗に触られる。何度も何度も乳首を摘んだりこねまわすその指はいやらしく、どんなに身体を捻っても付いてくる。

「ぁ、……ッ、……や、……だ、ン……ッ」

「いやらしい声でてるぜ。あーこの胸やべぇ、すげぇ柔らかくて気持ちいい。乳首だけはビンビン」

「ッ、ん……ッ、……ッ」

「ほら、吸ってやるから。ジッとしてろ」

チュウ……ッ

「ふぁ……ッ、ぁ、ぁ、……ッ」

チュウチュウ。

敏感になった乳首を吸い上げられたまらず身体をビクつかせた。知らない男二人から交互に乳首を吸われる。乳首を転がすように舐めたり、強く吸っては優しく噛んだり、その繰り返し。それがたまらなく気持ちよくてわたしは、何度も身体を反らせる。

感じたくないのに、わたしの身体は確実に熱を帯びていった。

「ん、……も、ぅ……やめ、て……ッ」

「そのわりには、反応してるじゃねぇか」

「……ッそんな、こと……ッ……、ぁ」


プリ小説オーディオドラマ