第5話

5.
39
2018/08/17 15:49

水曜日。今日は週に1度の部活オフの日。
最近、学校に残って勉強している。
2週間後に控えている模試に向けて勉強しようとするものの、
「何からすればいいんだろ〜」
とりあえず来週にある世界史の小テストの勉強を始めてみた。
すぐに分からないところが出てきから友達に聞いてみるが、そんなの分かるわけない、と言われる。
そういえば世界史担当の先生は出張だって言ってたな〜。
こういうときはいつも日本史の小木先生に質問しているし、小木先生のとこ行ってみよう!
コンコン
「あ、先生いた。世界史教えてください」
なんか暇そうにしてる。もしかして、
「もう帰るところでしたか?」
「いや、帰ろうかな〜とか思いながらだらだらしてた(笑)」
生徒指導室誰もいないや。珍しい。
「入っていいんですか?」
「いいよ、入って」
聞きたいこといっぱいありすぎてどれがどのプリントか分かんない。
「あ、これだ。これって──」
話を聞くとき目線をあげると絶対に目が合うのがすごい好き。
「──ってな感じかな」
「今度小テストあるんですよ」
「え、何の?」
「これです、これ」
テスト内容が書いてあるプリントを見せる。
「あー大変だな」
はあ、先生と普通に話せてるのほんとに幸せ。
「私、オリエントとかちゃんと勉強してなかったんでさっぱりなんですよ」
「松本のことやからそれはないやろ〜」
あ、今、松本って呼んでくれた。
初めてだ。
大丈夫かな、顔ニヤケてないかな。

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